時代を超えて愛される名車ヤマハ「SR400」 カスタムのトレンドは「初期型回帰」!?

先日「二輪車平成28年排出ガス規制」に適合した新型SR400が発表されました。1978年の登場以来、基本的な骨格を変えずに発売され続ける稀有なモデルですが、その人気の理由のひとつに「カスタマイズの自由度の高さ」があります。

変わらないのがSRの魅力。とはいうけれど……

 11月22日、ヤマハから発売されるSR400は、今回のフルモデルチェンジで5代目となります。一般的にモデルチェンジといえば、そのデザインを大きく変えるのが当たり前ですが、しかし、SRはその真逆。モデルチェンジをいくら繰り返そうとも、1978年に発売された当初の基本的な骨格はそのまま保たれています。

2014年式ヤマハSR400をベースに「70年代」をテーマにしたカスタムを施した筆者(佐賀山敏行)の愛車。(撮影:渡辺昌彦)

 初期モデルが登場して以来、どれだけ年月が経とうとも、シングルクレードルのオイルインフレームに空冷4ストロークSOHC2バルブエンジン、ティアドロップ型燃料タンクやワイヤースポークホイール(初期型にキャストホイール仕様がありましたが)の組み合わせを頑なに貫いてきました。

 しかし、初期型が発売されてから40年という年月が経過した今では、現行モデルと初代モデルがまったく同じというわけではありません。SRはこれまで5回のフルモデルチェンジを行い、幾度となくマイナーチェンジも繰り返されています。じつは「変わらない」と言われているSRもいろいろと変更されているのです。

 よく知られている変更箇所は[c1]燃料タンクの形状で、初期型では通称「ナロータンク」と呼ばれる、現行よりも幅の狭いスリムなタンクが採用されています。また、フロントホイールにしても初期型は19インチで、ブレーキはディスクタイプ。それが1985年のフルモデルチェンジ(2型)では18インチ+ドラムブレーキに変更されました。

 この組み合わせは2000年まで(SR500は1999年で生産終了)続き、「SR=フロントドラムブレーキ」とイメージされる方も多いのではないでしょうか。ちなみに現在の18インチ+ディスクブレーキの組み合わせは2001年からとなります(3型)。

フューエルインジェクションの採用で様々な箇所を変更

 2010年からは吸気システムにフューエルインジェクション(F.I.)が採用されます(4型)。見た目はそれ以前とほとんど変わりませんが、燃料タンクは底面がごっそり変わり、キャブレターモデルとの互換性は皆無。シートも取り付け部分が変わった他、シート下にはフューエルポンプが設置されたので、サイドカバーも形状を変更しています。

5代目となるヤマハ新型「SR」

 そして今回のフルモデルチェンジ(5型)では、さらに厳しくなった排出ガス規制に適合すべく、キャニスター(不完全燃焼ガスなどを大気中に放出しないように吸着する大気汚染防止装置)の採用やECUの装着場所変更などによるシート取り付け部の変更などが行われましたが、やはり見た目はSRそのもの。ファンにとってはホッと一安心のモデルチェンジといえるでしょう。

 さて、前置きが長くなりましたが、今回の本題はそんなSRの歴史ではありません! SRカスタムの最新トレンドがテーマです。

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