冬タイヤはなぜ滑らない? スタッドレスタイヤの特徴やおすすめ主要ブランド5選

冬場に活躍する「スタッドレスタイヤ」。そもそもなぜ、スタッドレスタイヤは雪道や凍結路で滑らず走行できるのでしょうか。また、各タイヤメーカーのラインナップ、チェーン装備との違いや買い替え時期も紹介します。

スタッドレスタイヤの性能や各社ブランドの特徴とは

 毎年11月、12月になるとテレビでも見かける「スタッドレスタイヤのCM」。年々進化しているスタッドレスタイヤの技術ですが、そもそもなぜ同じタイヤなのにラジアルタイヤ(以下:夏タイヤ)と比べて、雪道や凍結路で効果を発揮するのでしょうか。

 また、タイヤメーカー各社が出しているブランドにはどのような違いがあるのか、主要ブランドの特徴を5選として紹介するほか、チェーン装備との違いや買い替え時期についてもお伝えします。

スタッドレスタイヤは使用前に必ずチェックしましょう。

 まず、スタッドレスタイヤとは、降雪地や寒冷地での雪道や凍結路で滑らず安全に走行するために開発された冬用のタイヤです。1990年台までは、タイヤ表面に突起物が付いた「スパイクタイヤ」や深雪道を走行するための「スノータイヤ」などの専用タイヤが冬タイヤの代名詞でしたが、法改正や雪がない路面の走行性能向上などによる技術革新により、現在の「スタッドレスタイヤ」が一般的となりました。

 一般的にタイヤが滑る要因として、路面表面に存在する水分が水膜となり、氷とタイヤの間に入ってタイヤを滑らせます。その水分を取り除き、路面と密着させることで“滑り”を抑制。

 各社ブランドのスタッドレスタイヤは、水分の取り除き方やグリップ性、耐久性という部分で違いを表現。外見上の特徴は、夏タイヤの表面と違い、やわらかいブロックが点在し、深い溝が掘られています。最近の製品では、乾いた路面使用での耐久性を向上させたてものが多く登場しています。では、主要タイヤブランドには特徴があるのでしょうか。

●ブリヂストン ブリザックシリーズ

 世界トップシェアを誇るブリヂストンが展開するのが「ブリザックシリーズ」。販売開始から約30年と歴史があるブランドとなり、降雪地での装着率No.1に輝くほどの実績と信頼性をもっています。

 最新モデルでは、雪道・凍結路・乾いた舗装路・塗れた路面・静粛性・ロングライフなどトータル性能を向上。また、タイヤが滑る原因となる路面の水膜を積極的に除去する「アクティブ発泡ゴム」技術により、路面グリップ力を大幅に進化させています。

●ヨコハマタイヤ アイスガードシリーズ

 1985年にヨコハマ初のスタッドレスタイヤ「ガーデックス」の誕生以来、数多くの独自技術でスタッドレスタイヤを進化。氷上性能を向上させつつ、除雪技術が進んだ道路環境の変化に対応したモデルです。

 最新シリーズの「アイスガード6」では、雪・氷にプラスして塗れたウエット路面や静粛性の性能も向上。また、制動距離においても従来の製品より15%アップさせています。

●ダンロップ ウィンターマックスシリーズ

 福山雅治が登場するCMでもおなじみの「ウィンターマックスシリーズ」。キャッチャーフレーズの「モチ・ロン・ギュ」とは、密着力の効き持ちが長く、タイヤの摩耗が少ないロングライフ、氷でもギュっと止まるという意味をもっています。

 最新シリーズには、サトウキビを原料とした液状ファルネセンゴムを使用。柔軟性に優れるほか、氷上グリップ性能の向上や長期間にわたり性能維持される液状ゴムを採用しています。

●グッドイヤー アイスナビシリーズ

 グッドイヤーでは、アイスナビシリーズとしてスタッドレスタイヤを展開。他社同様の基本性能を用いた製品ですが、大きな特徴としては、ゴムの柔らかさに重点をおき、従来に比べさらに柔軟性が高い、極小シリカのゴム(エキストラ・コンタクト・コンパウンド)を採用したことで、氷上の細かい凸凹にも高い密着性を発揮。さらに、ウエット路面でも安定したハンドリングを実現しています。

●トーヨータイヤ オブザーブシリーズ

 トーヨータイヤでは、「オブザーブシリーズ」以外にもいくつかの冬タイヤブランドを展開。全体的な特徴として、凍った路面を強力にひっかく「鬼クルミの殻」技術を採用しています。

 20年以上培ってきた独自技術の「鬼クルミの殻」とは、クルミの殻を配合したコンパウンドにより、氷上での高いグリップ性を発揮するものです。

※ ※ ※

 スタッドレスタイヤには、さまざまなラインナップが存在します。しかし、ウィンターレジャーで数回ほどしか走行しない場合、夏タイヤにチェーンを装備するユーザーもいますが、スタッドレスタイヤとの違いはどこなのでしょうか。

 長年多くのスタッドレスタイヤを交換してきた、タイヤ専門店スタッフは、「夏タイヤに装着するチェーンに比べ、スタッドレスタイヤは走行時の振動や騒音が少ないことが特長です。さらに、最近のモデルではより乾燥路面での走行を夏タイヤと大差ないような性能へと向上させいます。そのため、雪を見かけてからチェーンを装着するなどの、脱着の手間が省けることも大きなメリットです。

 しかし、あまりにも雪深い場所ではスタッドレスタイヤでも走行が難しい場面も存在します。そのような場所に出かけることが予想されるのであれば、チェーンを携帯し、いざとゆうときにスタッドレスタイヤ+チェーンで対応することをオススメします」

 また、スタッドレスタイヤの替え時については、「スタッドレスタイヤを使用していると徐々に摩耗していきます。溝の深さが50%以下になると氷上性能が低下するため、積雪路または凍結路走行時の使用限度は新品時の50%までと規定されています。

 また、ゴム製品であるタイヤは、長時間使用すると徐々に硬くなるほか、経年劣化などで性能が低下しますので、使用前にはディーラーやタイヤ販売店、カー用品店などで確認すると良いです」と話します。

 スタッドレスタイヤの性能は、各社で大きな差はありませんが乗用車/軽自動車/SUV/商用車などそれぞれ適した製品が存在します。自分の使用頻度や利用シーンなどをよく考慮してスタッドレスタイヤを選びましょう。
 
【了】

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