11年間、公開されなかった「ハチロクワゴン」! トヨタが描いた“もうひとつの86”が斬新すぎる! 後席ドアも備えた幻の「X86D」とは!
2027年1月にカスタムカーの祭典「東京オートサロン2027」が開催されます。こうした自動車ショーやイベントでは、例年さまざまなチューニングマシンや独自のカスタムカーなどが出展され注目を集めますが、過去にも記憶に残るコンセプトモデルがありました。今回は、米国で後年に披露されたサイオン「X86Dコンセプト」を紹介します。
11年間封印されていた幻のコンセプトカー「X86D」とは
まもなく、カスタムカーの祭典「東京オートサロン2027」が開催されます。こうしたイベントやショーなどを通じて、これまでもさまざまなチューニングマシンや独自のコンセプトモデルなどが出展され、多くの人の記憶に刻まれています。
サイオン「X86Dコンセプト」は、これまでショーなどでのお披露目こそかなわなかったものの、やはり印象的な1台だといえるでしょう。
トヨタがアメリカに置くデザイン拠点が手掛けたコンセプトカーのなかに、「86(ハチロク)」の北米仕様をワゴンボディに仕立て直したモデルがあります。
それが2012年に製作されたサイオン X86Dコンセプトです。市販化はされず、11年後の2023年になって初めてその画像が公開されました。
ベースの86は、トヨタとスバルが共同開発し、2012年に登場した2ドアのスポーツクーペです。2リッター水平対向4気筒エンジンを搭載し、ボディはクーペのみの設定でした。
北米では2012年から、トヨタが2003年から2016年まで展開していた若者向けブランド「サイオン」から、「FR-S(エフアールエス)」の名前で販売していました。
米国トヨタは2016年2月、サイオンの累計販売が100万台を超え、購入者の70%がトヨタにとっての新規顧客だったと発表しており、“トヨタ”とは異なる独自のブランド展開により、一定の効果があったと説明しています。
しかし2016年には、サイオンがトヨタブランドへ統合され、これにともなってサイオン FR-Sも車名をトヨタ 86に改めています。

X86Dコンセプトを手掛けたのは、トヨタがアメリカ市場に合ったデザインを開発するため、1973年にカリフォルニア州で設立したデザイン拠点「キャルティデザインリサーチ(Calty Design Research、以下キャルティ)」です。
米国トヨタによれば、キャルティはFR-Sの登場から着想を得て、2012年にこのクーペを4ドアのシューティングブレーク(クーペのようなスタイルをもつワゴン)へ作り替えました。
同社は、開発の出発点がFR-S独自のプラットフォームとパッケージをさらに生かすことにあったとも説明しています。
画像が公開されたのは、キャルティが設立50周年を迎えた2023年11月です。
米国トヨタが“隠れた宝石”と題して、キャルティの5つのデザインやプロジェクトを紹介。X86Dはそのひとつとして、初めて姿を見せました。
リアまわりは独特な形状で、モチーフとなったのは、アメリカの往年のホットロッド(旧型車をベースにしたカスタムカー)です。
確かに真横や後ろから眺めると、ホットロッドのような姿に見えます。
フロントでは、ボンネットを低く抑えています。背の低い水平対向エンジンだからこそ可能になったもので、純粋なスポーツカーらしい外観につながっています。
ボディには、“蝶ネクタイ”のような形のグラフィックもあしらわれています。この装飾は、若い世代に向けた自己表現の象徴でもありました。
インテリアは、レーシングカーのコクピットにならった、ドライバー中心の設計です。
キャルティはこれまでに、2代目「セリカ」や初代「エスティマ」、3代目「ソアラ」、「FJクルーザー」など、さまざまな市販モデルのデザインを手掛けてきました。
レクサス「LC」の原型となった「LF-LC」や、「GRスープラ」の原型となった「FT-1」といったコンセプトカーも、キャルティが生み出したものです。
この“ハチロクワゴン”をめぐっては、ネット上で賛否が分かれています。
「ワゴンの86なんて面白すぎる」「市販されていたら絶対に買っていたと思う」という声がある一方、「クーペだからこそ86らしいのでは」「ワゴンってもはや86じゃない」との意見も見られます。
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北米のスポーツクーペ、FR-Sをもとにキャルティが描いたシューティングブレーク、X86Dコンセプト。市販化はされなかったものの、製作から11年を経て、キャルティ設立50周年の節目に“隠れた宝石”のひとつとして日の目を見ました。
クーペのボディだけで販売された86に“ワゴン”という別の姿を示し、いまなお記憶に残る1台といえます。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。





























