完成すれば「大内宿」のアクセス路に! 福島・会津をタテに貫く「新バイパス」に期待! “信号ゼロ”で「川沿いクネクネ&落石多発」地帯をサクッと回避! 国道121号「湯野上バイパス」の進捗は
国土交通省 郡山国道事務所は、福島県で進めている国道121号「湯野上バイパス」の工事について、進捗状況をまとめたレポートを公開しました。
作業の遅れで完成はまだ先に
福島県で整備が進められている国道121号「湯野上バイパス」について、事業者である国土交通省 郡山国道事務所が工事の進捗状況をまとめたレポートを公開しています。
当初は2025年度に完成する予定でしたが、どのような状況なのでしょうか。
国道121号は栃木県益子町と山形県米沢市を結ぶ延長270km以上の主要国道です。益子町から西に進んで栃木県鹿沼市を経由したあと、進路を北に変え、日光鬼怒川、会津高原、会津若松、喜多方と通り、米沢市に入ります。
このうち湯野上バイパスは、会津若松市と南会津町の間にある下郷町に敷設される延長8.3kmの自動車専用道路です。会津・南会津を結ぶ広域道路ネットワークである「会津縦貫南道路」(延長約50km)を構成します。
ルートとしては、会津若松方面を結ぶ国道118号「小沼崎バイパス」(開通済み)と、白河市方面から来る国道289号を接続する形です。

121号の現道は、阿賀川や会津鉄道会津線(会津下郷駅〜湯野上温泉駅)と並行する区間ですが、半径100m未満のカーブが連続し、さらに2010年から2022年にかけて6回もの落石が発生する危険な区間です。
会津地域にとっての最重要アクセス路を担っており、緊急輸送路にも指定されている路線であるものの、非常に走りづらい区間となっています。
そこで、自動車専用道路として、阿賀川の対岸にバイパスを建設し、地域の交通ネットワークの効率化や安全性の向上などのほか、災害時や緊急時の輸送道路としての活用、「湯野上温泉」や「大内宿」などで知られる同地域の観光・レジャー業の振興など、さまざまな効果が期待されています。
1998年度(平成10年度)に地域高規格道路の計画路線指定を受けたことから始まり、2007年度(平成19年度)に福島県が事業者として整備事業がスタートしました。
その後、2012年度(平成24年度)に直轄権限代行事業採択を受けて、事業主体が県から国に変更されました。
バイパスは、5つの橋梁部と3つのトンネルで構成されています。
橋梁部の基礎となる橋脚を設置する工事は2026年6月の時点で、2号橋を構成する橋脚3本のうち1本が未完成という状況で、すでに床板や上部工が完成して、路面の整備を待つ段階の場所も出てきています。
一方、トンネルは3つのうち中間に位置する3号トンネルが工事を終えているものの、前後に位置する2号トンネルと4号トンネルが未完成です。
2号トンネルは半分ほどの掘削を終えているものの、吹付けコンクリートの一部でクラックや剥落、ロックボルトの破断、湧き水の噴出などが生じており、当初設計した支保構造では変状を止めることができない状態になっています。
このため支保構造を二重に施すといった対策に追われ、想定よりも作業に時間を費やしていると報告しています。
湯野上バイパスの完成時期について、当初2025年度を見込んでいましたが、2023年6月に開通予定の見直しが発表され、現在も完成時期は未定となっています。
もし開通すれば走りやすくなり、緊急輸送路として活用されるだけでなく、近年人気が高まり、年間80万人の来客が見込まれる大内宿へのアクセスも良好になります。
Writer: 春山優花里
フリーランスの編集記者。WEB媒体を中心に15年以上メディア業界で働くなんでも屋。幼少期に叔父の書斎で見た膨大なミニカーコレクションに圧倒され、クルマやバイクに興味を持つ。漫画やアニメ、ゲームが好き。


















