普及が進む「自動ブレーキ」に過信は禁物 速度によっては作動しないことも

今後の技術開発によりさらに上限速度は上がる見込み

 近年、日本では制限速度の上限の引き上げが進められており、一般道では一部区間が80km/hに引き上げられ、高速道路では、前述の通り試験運用ではありますが110km/hの区間が存在します。

新東名高速の一部区間で試験的に110km/hの最高速度を導入

 今後ますます高い速度域での衝突被害軽減ブレーキが必要となると考えられますが、日産は「技術開発が進むにつれて、対応できる車速は上がっていく見込みです」としています。

 上限速度のほかにも、歩行者やバイクなどの感知の有無など、現時点ではまだ制限があることは事実ですが、今後の技術開発により制限は解消されていくことと思われます。

 しかし、衝突被害軽減ブレーキはあくまで、前方の車両や歩行者との衝突回避操作を支援、または衝突時の被害や傷害の軽減を目的としていて、あらゆる状況で効果があるわけではありません。

 衝突被害軽減ブレーキの動作範囲の速度域であっても、雨や雪、霧が出ているなど視界が悪い状況や、カメラやレーダー、レーザー照射部付近に汚れが付着してしまっている場合など、そのほかさまざまな状況で正常に作動しない可能性があります。

 事故を起こしてしまった場合は、ドライバーの過失になります。衝突被害軽減ブレーキはあくまで補助装置なので、ついているからと過信せず、安全運転を心掛ける必要があります。

【了】

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