スズキの新型「軽ワゴン」初公開! 「軽量ボディ」採用の「パワフルモデル」! 軽自動車「初の装備」も満載の「イースカイ」どんなモデル?
スズキから軽自動車規格の新型EV「e SKY」の先行情報が公開されました。メディア向け試乗会などで公開された情報を合わせて、その詳細を解説します。
エンジン車からEVへ、違和感なく乗り換える
スズキが2026年8月24日に新型軽EV「e SKY(イー・スカイ)」の先行情報を公開しました。発売は、この秋で価格は未定。「Easy to Swich」をコンセプトに、ガソリン車からEVに違和感なく乗り換えていただくことを目指して開発したとスズキは説明します。
ちなみにデザインは、2023年のJMS(ジャパン・モビリティ・ショー)にて公開された軽ワゴンEV「eWX」から発展したもの。「スマート(洗練され、安心感と軽快感を与える)」「アイコニック(流行に左右されない)」「コージー(親しみやすく)」という3つのキーワードがテーマになっています。EVらしくラジエターがなく、デジタル数字のようなグラフィックのヘッドライトが印象的な顔つきです。
インテリアで目を引くのは、10.1インチの大きなオーディオディスプレイを中心としたインパネ周り。陶器のようなインパネのベースと大きなディスプレイの組み合わせが特徴的です。
豪華ではありませんが、モダンさと使い勝手の良さがバランスしたインテリアと言えるでしょう。

寸法は、重さ以外、ほとんどエンジン車と同じ
続いてe SKYの技術的な特徴を解説しましょう。メディア向け試乗会に用意されたプロトタイプの寸法は、全長3395mm×全幅1475mm×全高1625mm。ホイールベースが2460mmで、最小回転半径が4.4m。車両重量が1030kg。装着タイヤは165/65R14。
同じハイトワゴンである「ワゴンR」のエンジン車と比べると、異なるのは全高と車両重量、そしてタイヤ寸法のみ。
e SKYは、全高が25mm低く、車両重量は約260kg重く、タイヤの幅が10mm太いという違いになります。重さの差は相当にありますが、それ以外は、ほとんど変わりありません。ちなみにバッテリーは床下に敷いていますが、室内空間を損なうことはありませんでした。床の高さは、エンジン車と同等だったのです。
ライバルよりも軽いため電費に優れる
次に注目すべきはEVならではのポイントとなる、バッテリーと航続距離です。
e SKYは、リン酸鉄リチウムイオン電池を26kWh搭載し、一充電走行距離31kmを走ると言います。この数字は、ちょっと驚くほどに優秀です。
ライバルとなる日産「サクラ」がバッテリー容量20kWhで一充電走行距離180kmなのに対して、e SKYは1.3倍のバッテリー容量で1.7倍以上の距離を走れることになるのです。
また、話題沸騰中のBYDの軽EV「ラッコ」は、35.84kWhの電池で、一充電走行距離320km。比べてみれば、いかにe SKYの電費性能が優れているのかがわかります。
そんなe SKYの電費の良さの最大の理由は軽さでしょう。サクラの1290~1310kgの車重に対して、e SKYは1030kgで、260~280kgも軽いのです。BYDの「ラッコ」と比べても、130~200kkgも軽くなります。
それを実現したのが、EV専用の新プラットフォーム「HEARTECT e」や薄型のリン酸鉄リチウムイオン電池、小型で軽量なeAxleの採用に、優れた空力性能だとスズキは説明しています。
また、バッテリー容量そのものは、それほど大きくないため、充電にかかる時間が、それほど長くならないのも魅力です。50kWの一般的な急速充電器で、充電警告灯点灯から充電80%状態までが約25分。1回30分の急速充電で走行250km以上の充電が期待できるというのは嬉しいポイントでしょう。
さらに嬉しいのは、リン酸鉄リチウムイオン電池は従来の三元系リチウムイオン電池よりも価格が割安というところです。
例として挙げると中国のラッコは35.84kWhで239.8~249.7万円でした。それに対してe SKYのバッテリー搭載量は26kWhと、それほど多くはありません。
中国車と日本車のコスト構造の違いはありますが、それでもe SKYはお手頃価格になりそうな気配が濃厚。これもe SKYの期待のポイントです。
スズキの軽自動車として初の装備を満載
価格に期待するe SKYではありますが、その実、装備類の充実も注目ポイント。スズキの軽自動車初となる装備が満載されています。
具体的に挙げれば、10.1インチの大型ディスプレイオーディオ、ステアリングヒーター付きレザー調ステアリングホイール、電池容量やリアルな交通状況を加味してルート案内する「つながるナビ」、回生ブレーキを強めにするイージードライブペダル、消費電力の小さいダイレクトヒートポンプ+空気加熱電気ヒーターというもの。
電動車で要望の多い、AC電源コンセント(100V/1500Wまで)も用意されています。価格だけでなく、充実の装備もe SKYの魅力のひとつとなります。
伸びのある加速と安心感抜群のハンドリング
最後にe SKYの走りをレポートしましょう。スズキはメディア向けにe SKYのプロトタイプで、ショーとサーキットでの試乗会を開催しており、筆者(鈴木ケンイチ)はそこに参加することができました。
走らせてみて楽しかったのは、伸びのあるスムーズな加速感です。ものすごく速いわけではありませんが、街中をリードするのに十分なパワーとトルクを備えています。
また、コーナーリングは、ボディの剛性感が高く、前後重量バランスもよくて、安定感が抜群です。スポーツカーではありませんが、走らせる楽しみがありました。これもライバルよりも圧倒的な軽さが貢献しているのでしょう。
走りが良くて、航続距離も十分。快適装備も揃っています。これで価格も手ごろなら嬉しいことばかり。自宅駐車場に充電設備を設置できる人であれば、初めてのEVの候補におすすめの1台となることは間違いありません。秋の正式発表を楽しみに待ちましょう。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。
著書「自動車ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)










































































