同じようで実は違う… カーエアコンの「SYNC」「DUAL」スイッチの違いや効果とは
各社のオリジナル性を表現する部分で規格統一するのは難しい問題
似たような機能なのに、名称や効果が違うのはどうしてでしょうか。また、同じメーカーの車種で違う理由はなぜなのでしょうか。
これについて自動車メーカーの関係者は、「SYNCやDUALの違いには、各自動車メーカーの方向性によるものが大きいと思います。もともと、クルマのエアコンは運転席と助手席で連動するのが当たり前という流れがあった場合、追加機能としてDUAL(独立させる)を採用。一方、高級車のように独立調整がデフォルトであれば、SYNC(連動させる)を追加装備しています。
とくに国産車の場合、エアコンは運転席、助手席が連動するのがデフォルトでした。その後、上級グレード車から徐々に左右独立で調節する『DUAL』が備わりました。最近では、左右独立調整がデフォルトになってきているので、連動させる『SYNC』が普及し始めたと考えられます」と話します。
カーエアコンのスイッチだけでも、各社の採用背景や方向性による違いがあるようです。ユーザーにとっては、似たような機能であれば統一してほしいものですが、前出の関係者によれば「技術進歩が進んでいくなかで、当初の名称とそぐわなくなることもあります。また、エアバックのように一般的になっている名称以外の場合、機能名や装備名は各社のオリジナル性を表現する部分でもあり、技術革新をどこまで規格統一するかは難しい問題です」と言います。
※ ※ ※
最近では、空気清浄機付カーエアコンも増えてきました。細菌を除去するものから、エアコンによる車内乾燥を防ぐものまで、さまざまな機能のものが存在しています。
自動車メーカーは、クルマ本来の「走り」に関する性能以外にも、クルマを気兼ねなく使うための快適性能や装備を日々進化させています。より快適なクルマを実現させるためにも、各社のオリジナル性も重要な部分といえるでしょう。
【了】