日産「新型エルグランド」買ってみて分かった! 1500km走った「リアルな本音」とは! “750万円”に見合う圧倒的「走りの質感」! 一方で「ちょっと気になる点」も!? “超豪華ミニバン”オーナーの「正直インプレ」!
筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)の手元に新型「エルグランド」が納車され、およそ1か月。すでに走行距離1500kmを超えました。一般道から高速道路、ワインディングまで実際に走って分かった「気に入ったところ」と「気になるところ」をお伝えします。
購入後1か月で1500km走った「リアルな本音」とは!
2026年7月16日に発売となり注目を集める新型「エルグランド」ですが、筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)は、6月末にこの新型エルグランドを予約注文し、発売まもない7月下旬に納車されました。
筆者が購入したのは「X e-4ORCE」。車両本体価格は689万7000円(消費税込、以下同)で、オプションを含めた総額は約750万円です。
もともとステーションワゴン好きで、ミニバンを敬遠してきた筆者ですが、一般道から高速道路、ワインディングまで1500km以上を走破して感じているのは、「思っていた以上にいいクルマだ」ということ。日常的に使うほど、チョイ乗りでは分からなかった魅力を感じています。
とくに高く評価したいのが走りの質感です。滑らかな加速や高い静粛性、街中で意外に伸びる燃費、高速巡航時の優れた安定性など、距離を重ねるほど基本素性のよさが際立ちます。
「移動そのものを快適にする」という点において、これまで乗り継いできた欧州ステーションワゴンと比較しても遜色のない完成度です。
第3世代「e-POWER」、電動駆動4WDの「e-4ORCE」、そして電子制御ショックアブソーバーの「インテリジェント ダイナミックサスペンション」といった先進装備の融合により、新型エルグランドは優れたグランドツアラーとしての素質を高レベルで実現しています。オプションを含めて約750万円となりましたが、それに見合う満足感を得られていると感じています。

一方で、この優れた素材を備えているからこそ、「ここを整えればさらに間口が広がるのではないか」と感じる部分もあります。
現在の新型エルグランドは、X e-4ORCEのほか、上級グレード「G e-4ORCE」(757万9000円)、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手がけるカスタムカー「AUTECH e-4ORCE」(824万7800円)、「VIP e-4ORCE」(869万8800円)など、高価格帯の4WD(e-4ORCE)モデルが主軸です。
第3世代e-POWERやe-4ORCE、インテリジェント ダイナミックサスペンションなどの基本性能に関わるメカニズムは同じのため、内外装の仕立てや快適装備の差額に価値を見出せるかがグレード選びの基準になります。
しかし、すべてのユーザーがここまでの高度な4WD性能を必要としているのでしょうか。
2.4トンを超える重量を感じさせないe-4ORCEの走りは見事ですが、用途や予算に応じた性能があれば、十分に満足できる人もいるでしょう。
より身近なFF(前輪駆動)を設定すれば、より多くのユーザーにこの新型エルグランドを届けることが可能になります。
足回りについても、電子制御ショックアブソーバーから標準的なツインチューブダンパーや周波数感応型ダンパーに変更すれば、車両価格を抑えられる余地が生まれます。乗り味の奥深さは多少変化するとしても、上質な内外装デザインやe-POWER特有の滑らかさ、優れた静粛性といった根幹の魅力は損なわれません。
現在の日産ラインナップには、ミドルクラスミニバンの「セレナ」が存在します。最上級の「LUXION(ルキシオン)」は高度運転支援機能「プロパイロット2.0」を標準装備し、価格は499万8400円です。
新型エルグランドは約700万円からのスタートですので、両者の間には約200万円の空白が存在します。この間を埋める550万~650万円クラス、とくに「上質さを保ちながら機能を厳選した600万円前後の仕様」が存在すれば、検討できるユーザー層は大幅に広がるはずです。
さらに、多人数乗車の頻度が低いユーザーに向けたパッケージングも求めたいところです。
筆者自身、3列目シートを展開する機会はほとんどないため、2列シート仕様とし、後方を広大なラゲッジスペースとして活用できる仕様があれば理想的だと感じています。
セレナに設定されている「マルチベッド」のように、積載性と実用性に特化した仕様があれば、4名乗車で2泊3日のゴルフやロングドライブへ出かける際も余裕を持って対応できます。
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新型エルグランドは、価格に見合う価値を間違いなく備えています。輸入車ワゴンを乗り継ぎ、多くの最新モデルに触れてきたオーナーの視点から見ても、完成度の高い一台です。
だからこそ、性能や装備を少しシンプルにしたモデルも用意してほしいと思います。それがあれば、いま以上に確信を持って「エルグランドは買いです」と太鼓判を押すことができます。
ぜひ、今後のラインナップ拡充にも期待したいところです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど


























































































