運転席は「真ん中」!? 新型「“3人乗り”スポーツカー」世界初公開! 超パワフルな「V12エンジン」&6速MT搭載で1トン切り! 快適性も高めた「GMSV S1」米国で登場
ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズが新型スポーツカー「S1」を世界初公開しました。自然吸気V12と6速MTを積む3人乗りは、生産わずか64台。どのような中身なのでしょうか。
64台限定の“ツーリング仕様”とは
ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ(以下、GMSV)は2026年8月14日(現地時間)、米国カリフォルニア州で開催されたモントレー・カー・ウィークのイベント「The Quail, A Motorsports Gathering(ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング)」において、新型スポーツカー「S1」を世界初公開しました。
S1の生産は世界64台限定。5台限定で製作された「S1 LM」のプラットフォームから発展したモデルです。S1 LMは、ゴードン・マレー氏が手がけた「マクラーレンF1 GTR」の1995年ル・マン24時間レース総合優勝をたたえて製作された、公道走行可能なレース・インスパイアード・モデルでした。
いっぽうS1は、そのエレガントなデザイン言語を受け継ぎながら、長距離を速く、そして楽しく走るためのツーリング志向へと仕立て直されています。
極端なダウンフォースを追うのではなく、メカニカルグリップを重視し、サスペンションは快適性と洗練を高める方向で見直されました。GMSVによると、S1はゴードン・マレーが掲げる7つのデザイン原則を、最も極端な形で表現したモデルとされています。

エクステリアはボディパネルすべてが新設計。S1 LMの大型固定式リアウイング、長いフロントスプリッター、深いサイドスカートを取り払い、クラシックなプロポーションに着想を得たクリーンなシルエットとしました。
代わりに、ボディへ組み込まれた新しいアクティブリアエアロが、高速安定性とブレーキング時の要求に応じて作動します。
灯火類も専用品です。デイタイムランニングランプはライトクラスター内に統合され、ノーズのエアインテーク内には低い位置の補助ハイビームを配置。これは1992年にマレー氏が手がけたモナコショーカーで提案され、当時は生産に至らなかったディテールへのオマージュです。
Aピラーマウントのミラーにはリアビューカメラシステムを内蔵し、新設計の軽量ホイールもモナコショーカーに着想を得ています。エンジンベイはV12を主役として見せる設計で、磨き上げたインコネル製エキゾーストと、24カラットの金メッキを施したヒートシールドが与えられました。
パワーユニットはコスワース製の4.2リッターV型12気筒自然吸気エンジンを搭載。最高出力690馬力を1万2100rpmという高回転で発生します。シリコンカーバイドコーティングの軽量ピストン、チタン製バルブとコンロッド、ドライサンプ潤滑など競技用スペックの部品で構成された低慣性ユニットです。
ツーリングを見据えてトルクの帯域は広げられ、トルクの80%を2500rpmから引き出し、7000rpmでは約500Nmを発生します。組み合わされるのは6速MTで、ツーリング用の6速ギアを標準採用。シフトケーブルの経路をより直線的に見直し、精密な“ライフルボルト”のような操作感を狙いました。
シャシはS1 LM由来のカーボンファイバー製モノコックです。全幅、トレッド、軽量サスペンションアーキテクチャ、ワイドタイヤを踏襲しつつ、車高を10mm高め、ダンピングを快適性寄りに再設定。ステアリングの精度やアジリティ、フィードバックは保たれているといいます。
パワーステアリングはアシストを切り替えられ、リラックスした巡航向けと、より生々しい接続感を求める走りとを選べます。
超軽量カーボンファイバー製ボディパネルと軽量サスペンション部品により、目標車重は「T.50」を下回る数値に設定されました。公式サイトでは総重量997kg未満とされており、上質な内装や遮音の強化、専用オーディオを積みながらの数値です。
インテリアは中央運転席と低いスカットルを継承しつつ、S1 LMより上質な解釈へ。プレミアムレザーや専用ファブリック、ツーリング向けのシート、強化された遮音、刷新されたインフォテインメント画面、専用軽量オーディオを備える3人乗りキャビンとなっています。
ドアは昇降式ガラスを組み込んだ新設計のディヘドラルドアとなり、S1 LMのレクサン製“チケットウィンドウ”から改められました。開口部が広がり、乗降性も向上しています。
グループ・エグゼクティブ・チェアマンを務めるゴードン・マレー氏は「S1 LMの極端な空力要素を取り除いたとき、このデザインにどれほどの美しさと純粋さがあるかを示したかった」とコメント。ロサンゼルスからモントレーまで海岸線を快適に流せるクルマだとも語っています。
全長や全高などの詳細なボディサイズは公表されていません。全幅はS1 LMと共通とされています。
1台ごとにオーナーが個別に仕様を決める方式で、価格は非公表とされています。なお、公式サイトでは現時点のアロケーションはすべて予約済みと案内されています。
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V12の自然吸気に6速MT、そして中央運転席の3人乗り。S1は、ゴードン・マレー氏が重視してきたドライバー中心の設計思想を受け継ぎながら、長距離を快適かつ刺激的に走るツーリング性能を追求したモデルです。
価格は明らかにされていませんが、アナログでドライバー重視の走りを追求した64台限定の1台となっています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。


































