リッター72km走る! ダイハツの「軽“3人乗り”クーペ」!? 全長3.4m級ボディ&超流麗デザインの「3代目」! 660ccの直3エンジン搭載した「UFE」とは
72km/Lという驚異的な燃費を誇りながら、まるで戦闘機のようなクルマをダイハツが造っていました。いったい、どのようなモデルだったのでしょうか。
リッター72kmの衝撃!
ダイハツは、地球環境に優しい究極の軽自動車のあり方を模索し、当時の技術を結集した極めて高い環境性能を持つ一台を開発していました。
20年以上前に、驚異的な空力性能と世界最高水準の低燃費性能を両立した姿を示したのは「UFE-III(Ultra Fuel Economy III)」です。
このコンセプトカーは、2005年10月に開催された「第39回東京モーターショー」にて、参考出品車として世界初公開されました。
会場では、地を這うような極端に低い全高と、SF映画に登場する乗り物のような未来的なビジュアルが大きな注目を集めました。
ダイハツは、2001年から「UFE」シリーズを継続して展開。3代目となる今作は、将来の量産技術へのフィードバックを視野に入れつつも、燃費性能の限界を検証する「実験車」としての側面を強く持っていました。
前作「UFE-II」の燃費60km/Lを大幅に上回る「72km//L(10-15モード走行燃費)」という目標数値は、当時の技術の粋を集めたハイテク・ハイブリッド・軽自動車としての挑戦でした。
デザインの最大の特徴は、空気抵抗を極限まで抑えるために採用された「ティアドロップ(しずく)形状」のフォルムです。
Cd値(空気抵抗係数)は驚異の0.168を達成しました。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1200mmと、軽自動車規格の枠内ながら、全高は一般的な軽自動車よりも30cm以上低く設計されています。
ボディ構造には、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やアルミニウムを多用し、車両重量はわずか440kgという超軽量を実現。ドア構造も斬新で、ルーフの一部が跳ね上がるように開く「キャノピータイプ」が採用され、その姿はまるで戦闘機の操縦席のようでした。
インテリアは、運転席をセンターに配置し、その後方に2名が座る「タンデム3人乗り」パッケージングを採用。サイドミラーの代わりにカメラとモニターを備えるなど、徹底した空力対策が施されていました。
パワートレインには、排気量660ccの直列3気筒直噴ガソリンエンジンに、2つのモーターとニッケル水素電池を組み合わせた「ダイハツ・ハイブリッド・システム(DHS)」を搭載。
エンジンとモーターの効率を最適に制御するいっぽうで、操舵系には物理的な接続を持たない「ステア・バイ・ワイヤ」を採用するなど、燃費性能と先進的な走行機能を高度に両立させていました。

UFE-IIIは、実験車として開発されたコンセプトカーであり、市販化されたことはありませんでしたが、この開発過程で培われた超軽量化技術や空力特性、エンジン効率の追求といった「エコの思想」は、のちにダイハツが提唱する「e:Sテクノロジー」へと昇華されました。
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この技術的探求は2011年に登場する「ミライース」の圧倒的な低燃費性能の礎となり、形を変えて市販車へと結実したといえます。
また、効率を突き詰めた結果としての独創的なパッケージングとハイブリッド技術は、単なるショーカーの域を超え、現在の環境対応車の核心を20年前に提示した、ダイハツのエンジニアリング精神を象徴する一台だったともいえるでしょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。










































