登場から1年「JPN TAXI」 タクシー業界やユーザーの反響は?
2017年10月に登場した「JPN TAXI(ジャパン・タクシー)」。2020年・東京オリンピックに向けて導入された車両として、タクシー業界の声も反映した次世代タクシーです。登場から約1年経った現在、ユーザーやドライバーの反響はどうなのでしょうか。
タクシー業界に「JPN TAXI」旋風は起きたのか
最近、都市部では、四角いワゴンタイプのタクシーを見かけることが増えてきました。これは、トヨタが2017年10月に発売した「JPN TAXI」というタクシー用の商用車です。
従来、タクシーの定番車と言えば、1995年からタクシー向けセダンとして販売されていた「クラウンコンフォート/コンフォート」が有名です。しかし、コンフォートシリーズは2017年に販売が終了となり、「次の日本に、いらっしゃいませ。」というキャッチコピーが示すように、次世代タクシーとして開発され、登場したのが「JPN TAXI」です。
トヨタのタクシー向け乗用車としては、この「JPN TAXI」が約20年ぶりの新型車両になります。開発にあたって、タクシー会社やタクシードライバーからの意見を反映したことでも注目された1台です。
「JPN TAXI」は、トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」をベースとし、従来のセダンタイプでは限りが合った快適性が向上。ボディサイズは、全長4400mm×全幅1695mm×全高1750mmとなり、ベースの「シエンタ」に比べ、全長は140mm長くしています。これにより後部座席ドアの開口部が広く、電動スライドドアを採用しているため、乗り降りしやすくなっています。
タクシーならではの使い勝手を考慮して、専用設計のサスペンションによる耐久性向上や交換可能な3分割バンパーやランプ類、メンテナンスが楽なエンジンパーツの採用など修理コストを軽減。また、従来のセダンセダンタイプに比べ、燃費(JC08モード)は19.4km/Lと大幅に向上するなど、環境にも考慮した次世代タクシーにふさわしい進化を遂げました。
さて、登場から約1年が経った「JPN TAXI」ですが、タクシー業界への導入はどのくらい進んでいるのでしょうか。導入に関して大手タクシー会社である国際自動車株式会社は、次のように説明します。
――JPN TAXIの導入背景を教えてください。
JPN TAXIは、車内が広く乗車して頂いたお客様に、より快適な空間を提供できることや、足腰の弱い高齢者の方や車椅子、ベビーカー利用のお客様にも利便性の高いユニバーサルデザインが、当社kmグループのモットーである「ホスピタリティ・ドライビング」に合致したことが理由になります。
また、ハイブリット採用により燃費の向上、燃料費の削減効果などのコスト面や衝突防止機能による追突事故防止効果などの安全面も導入にいたる背景要素です。
――既存車両からJPN TAXIへ代替数を教えてください。
2017年10月より、既存車両をJPN TAXIに代替開始しました。2018年9月末現在では、国際グループ(本体)の全車両(1974台)のうちJPN TAXI(523台)となり、約4分1の車両が代替されています。