なぜ「逆走」は減らない? “ダンプ正面衝突”の死亡事故で浮き彫りになった「道間違い」の恐怖! 事故の半数は「65歳未満」の衝撃事実
2026年7月13日の朝、福岡県篠栗町の国道においてダンプカーが準中型トラックに正面衝突し、1人が死亡する事故が発生しました。ダンプカーの運転手は道路を逆走していたとみられ、その危険性が改めて浮き彫りとなっています。
逆走の原因は「道間違い」が約6割! 高齢者に限らず注意を
2026年7月13日の午前7時頃、福岡県篠栗町を通る国道201号(八木山バイパス)において、ダンプカーと準中型トラック、普通乗用車の3台が衝突する事故が発生し、トラックを運転していた53歳の会社員の男性が死亡しました。
この事故はダンプカーの運転手が道路を逆走してトラックに正面衝突し、さらにトラックの後方を走っていた乗用車がトラックに追突したものです。
現場は中央分離帯のある片側2車線の有料道路で、防犯カメラ映像にはダンプカーが料金所の手前でUターンする様子が映っていました。
警察は13日の夜、道路を逆走して人を死亡させたとして、ダンプカーを運転していた福岡県春日市に住むアルバイトの69歳の男を自動車運転処罰法違反(過失運転致死)の疑いで逮捕しました。
男は警察の調べに対し、「道を間違えたのに気づいてUターンした」などと容疑を認めています。警察は男が約1.5kmにわたって逆走を続けたとみて、当時の状況を詳しく調べています。
今回の事故についてインターネット上では、「ダンプカーで逆走されたら避けられないですよ」「これは故意の逆走で起こした事故!過失ではなく危険運転を適用すべきだと思う」「二度と運転させてはならない」など、驚きや厳罰を求める声が上がっています。
また、「本人の運転能力の低下が原因か。大型免許の更新に問題を投げかけることになりそう」「65歳くらいから免許更新時の認知機能検査を取り入れる方がいいと思う」など、高齢ドライバーの免許更新ハードルの向上に関する意見も聞かれました。
このような逆走事故はたびたび発生しており、7月20日の未明にも、奈良県香芝市の高速道路・西名阪自動車道において軽乗用車同士が正面衝突する事故が発生し、一方のクルマに乗車していた男性2人が死亡、もう一方のクルマを運転していた男性が意識不明の重体となっています。
事故直前には、現場近くの料金所付近で「クルマがUターンして逆走している」との通報が寄せられており、警察はどちらかのクルマが逆走したとみて捜査しています。

なお、国土交通省が公表した資料「高速道路の逆走発生状況」によると、逆走事案の発生件数は毎年200件程度であり、2024年中は220件の逆走事案がありました。
そのうち、死亡事故が4件、負傷事故が10件、物損事故は36件で、交通事故に発展した割合は約23%でした。
2011~2024年中の逆走事案を集計したデータでも、逆走事案2874件のうち死亡事故が58件、負傷事故が160件、物損事故が363件で、約2割が交通事故に発展している状況がうかがえます。
さらに逆走事故の死亡事故率は、高速道路の事故全体の死亡率と比べて約38倍高くなっているほか、重大事故(負傷・死亡事故)率も約4倍高くなっており、逆走が通常の高速道路事故よりも一層危険であることが明らかになっています。
逆走事故は対向車が避けきれずに正面衝突になりやすいことや、高速度で衝突するなどの要因から、重大事故につながる確率が高まるといえるでしょう。
そして逆走事案の発生状況(2011~2023年)を年代別にみると、「65歳以上」が約7割を占めており、比較的高齢のドライバーに逆走が多いという結果が出ています。
その一方で、逆走事故に関しては「65歳以上」と「65歳未満」がそれぞれ半分ずつを占める結果となっており、その内訳は「75歳以上」が32%、「65~75歳未満」が19%、「30~65歳未満」が34%、「30歳未満」が13%などです。
つまり高齢者に限らず、比較的若い世代のドライバーであっても逆走事故を起こしてしまう可能性はあるため、全ドライバーが注意すべきといえます。
そして逆走の原因については、2015~2023年の集計データで「高速道路の出口に誤進入」や「一般道路から高速道路に誤進入」、「カーナビの案内を誤認した」など、道を間違えたことが発端となるケースが約6割に上っています。
特に逆走は「分合流部」や「出入口部」のほか、「料金所の前後」で発生するケースが多いため、数々の逆走防止対策が講じられています。
たとえば本線・ランプの合流部の道路上には、進むべき方向を示した大型の矢印マークや矢印看板、逆走を防ぐラバーポールなどが設置されています。
また高速道路の出口付近には、案内看板や警告表示板を設置しているほか、道路に分かりやすくカラー舗装がされている場合もあります。誤って逆走しないよう、周囲の道路標識や標示などをよく確認して運転することが大切です。
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逆走事案の中には、道を間違えたことに気づき、元の道に戻ろうとして故意に逆走するケースも少なくありません。
たとえ道を間違えたとしても絶対にUターンやバックをせず、次のインターチェンジで降りるようにしましょう。インターチェンジ出口で料金所スタッフに申し出をすれば、目的のインターチェンジまで戻る案内をしてもらえる可能性もあります。
逆走が重大な事故を引き起こすおそれがあることを念頭に置き、冷静な運転を心がけましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。


























