ミニバントップを争う日産「セレナ」とトヨタ「ヴォクシー」 燃費、価格、室内空間を徹底比較

先進安全装備は後発が有利か

 いまや付いていて当然の先進安全装備ですが、この点については販売開始から4年が経過している「ヴォクシー」は不利ですが、「セレナ」が売りにしている点ですのであえて比べてみます。

ミニバン販売台数「2018年上半期No.1」の日産「セレナ」

「セレナ」で注目すべき点は、やはりミニバンクラス世界初の高速道路・同一車線自動運転技術「プロパイロット」です。

 高速道路での“渋滞走行”や“巡航走行”時に、クルマがドライバーに代わってアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御するもので、先行車との車間距離の確保、車線中央走行保持をスイッチ操作だけで行ってくれます。

 広告では「同一車線自動運転技術」と書かれていても日産は「自動運転システムではありません」と明言していますので、あくまでも運転の補助装置となっています。

 ほかにも「セレナ」は、自動ブレーキ(対歩行者)/ペダル踏み間違い時加速抑制装置/車線逸脱警報/先進ライト(自動切替型前照灯)の採用により「サポカーS ワイド」と「サポカー」に該当しています。

 対する「ヴォクシー」は“Toyota Safety Sense”のネーミングで、追突の可能性があった場合に衝突の回避支援や、被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ」、正面衝突や車線逸脱の低減をサポートする「レーンディパーチャーアラート」、夜間走行時の歩行者の早期発見を促す「オートマチックハイビーム」などで「サポカー」に該当していますが、前車追従機能付クルーズコントロールや「ステアリングアシスト」などは装備されていません。

寸法だけでは推し量れない室内空間

 室内空間の広さを比べると、室内高1400mmで2列目と3列目シートへのアクセスに余裕を感じた「ヴォクシー」でしたが、後発の「セレナ」は室内高1545mmとなり、ここでもミニバンNo.1をアピールしています。

ミニバン販売台数「2017年No.1」のトヨタ「ヴォクシー」

「セレナ」はスライド量が最大690mmの2列目シートをいちばん後ろまで下げれば、足元はかなりのスペースになりますが、対する「ヴォクシー」は3列目シートを畳むことで2列目のスライド量が810mmとなり「セレナ」以上の空間が生まれます。

 ミニバンの車種・グレード選択時には用途なども含めて、荷室サイズ(「セレナ」が荷室高と長さでもミニバンクラスでNo.1)だけで判断しないで、シートアレンジも確認した方が良いでしょう。

 また、昨今のミニバンではオートスライドドアが標準装備されているグレードが増えましたが、「セレナ」の「ハンズフリーオートスライドドア」はスライドドアの下に足先を入れて引くだけで自動開閉できるので、両手に荷物を持っている際には便利です。

「ヴォクシー」も「ワンタッチスイッチ付パワースライドドア」や「パワースライドドア予約ロック機能」(スライドドアが閉まる前にドアロック予約が可能)を装備していますが、やはり「セレナ」に分があるように思えてしまいます。

 また、「セレナ」は後ろのクルマや壁からの距離が近いときにも、荷物を出し入れできる「デュアルバックドア」も装備しているので、使い勝手は良くできています。

日産「セレナ」とトヨタ「ヴォクシー」を画像で比較(11枚)

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