59年ぶり復活!? 新型「“4人乗り”超ちいさいクルマ」登場! 旧車デザインもイイ「ムルティプラ」後継機ムルティプリーナ・コンセプト伊国でお披露目
フィアットは2026年6月30日、マイクロモビリティ分野に特化したイベントをイタリア・ローマで開催し、4人乗りマイクロカー「ムルティプリーナ・コンセプト」を発表しました。どのようなモデルなのでしょうか。
まさかの姿で復活
フィアットは2026年6月30日、マイクロモビリティ分野に特化したイベントをイタリア・ローマで開催し、4人乗りマイクロカー「ムルティプリーナ・コンセプト」を発表しました。
電動化や交通渋滞対策を背景に、世界各地で注目を集めるマイクロモビリティは、個人の近距離移動から業務用のラストワンマイル輸送までをカバーする、新たな都市交通の選択肢として存在感を高めています。
フィアットは、そんなマイクロモビリティの分野でリードしていくことを今回のイベントで改めて表明するとともに、未来像を示したコンセプトモデルを公開しました。
その一台であるムルティプリーナは、1956年発表のフィアット「600ムルティプラ」を現代的に再解釈したモデルです。600ムルティプラは全長3.5mほどのコンパクトボディに多人数乗車を可能とした、当時としては画期的なマルチパーパスモデルでした。
今回のムルティプリーナも、その思想を受け継ぎながら、現代の都市交通に適した新たな移動手段を提案するものです。
フィアットはムルティプリーナを、欧州で展開している2人乗りの超小型EV(電気自動車)「トポリーノ」と、一般的な乗用車との間を埋める新たなモビリティに位置づけています。人を中心に据えた設計により、コンパクトな車体と優れた空間効率を両立させる構想です。
フィアットによると、トポリーノは欧州の電動クアドリシクル(超小型車)市場で首位を獲得。2026年第2四半期の受注台数は前年同期比30%増となり、過去最高を記録する見込みだといいます。
イベントでは、トポリーノの新仕様や新色、さらに業務用途を担う3輪モデル「トリス」も発表しました。

実はムルティプラの名前は古く、1956年に登場した「フィアット600」をベースとし、3列6人乗りのシートを備えた「600ムルティプラ」という車両に使われています。それから40年近い時を経て復活を果たしました。
そんなムルティプラは、初代と同じく6人が乗ることのできるMPV(ミいわゆるニバン)となっていましたが、シートレイアウトは3列ではなく、3人掛けシートが2列という斬新なもの。
ただし、よくあるミニバンのベンチシートではなく、6つの座席がそれぞれ独立したシートとなっており、ヘッドレストや3点式シートベルトも完備。中央の席は居住性を考慮してか、やや後方へオフセットされていました。
この独立したシートの後席は個別に取り外すことも可能で、すべて取り外すと1900リッターという巨大なラゲッジスペースに変身させることも容易で、フレキシブルに使うことができるモデルに仕上がっています。
インパネも個性的で、スピードメーターやエアコンの操作ダイヤルなどはセンターに集約し、乗員の前のダッシュボード部分にはフタ付きの小物入れスペースが備わり、サンバイザーの裏側にはサングラスホルダーを装着。
収納も豊富で使い勝手のよいものとなっていました。
ここまで聞くと、「とても真面目なMPV」という印象のムルティプラですが、なにが奇抜だったのかというとそのスタイルです。
フィアットは、個人の移動を担うトポリーノ、業務用途に対応するトリス、未来の移動手段を示すムルティプリーナを、マイクロモビリティ戦略の3本柱に位置づけました。
日常の移動から商用利用、余暇を楽しむ場面までを網羅し、シンプルさや独創性、イタリアらしいデザインを備えた都市交通の体系を構築する考えです。
ムルティプリーナのスペックや市販化については、今回の発表では明らかにされていませんが、600ムルティプラ終了の1967年から約59年ぶりの復活となるため、今後の展開が注目されます。
Writer: 近藤 英嗣
新型自動車解説書のテクニカルライターを経て、編集者に。自動車分野を強みとしながらも、ライフスタイル、ビジネス、不動産、旅、グルメなど幅広く取材・執筆する。











































