えっ! 偽「黒バイ」で警察官になりすまし!? 無免許&不正改造で事故対応した男に下された“判決”とは
2025年9月に警察の「黒バイ隊」になりすまして交通事故の対応に当たったなどとして書類送検された男の裁判がおこなわれ、男に対し執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。
“警察車両っぽいカスタム”は法令で禁止されているケースも
2025年8月から9月にかけてオートバイを不正改造し、宮城県仙台市内で無免許運転をした上、警察官になりすまして交通事故の対応に当たったなどとして書類送検された男について、仙台地方裁判所は2026月1日、男に執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
判決を言い渡されたのは、宮城県松島町に住む自称・SNSクリエイターの21歳の男です。
男は昨年8月、仙台市泉区において自分のオートバイに赤色灯やサイレンを取り付ける不正改造をおこない、8月と9月中には泉区内の道路をオートバイで無免許運転していました。
さらに昨年9月2日の午後には、泉区内で発生した交通事故の現場にあらわれ、物損事故を起こした50代の男性に対し、「宮城県警の暴取隊です。暴走族の対処部隊となります」などと言って、現場で交通整理をおこないました。
男はその際、黒色のバイクに乗って暴走族の取り締まりをおこなう警察官、通称「黒バイ隊員」を装っており、両腕に警察のエンブレムが入った黒色のツナギと赤色のチョッキ、黒色のヘルメットを着用していたということです。
なお、一部の都道府県警察では暴走族対策として黒バイを導入しているものの、宮城県警では現在黒バイ部隊の運用はしておらず、県警に「不審なバイクが走っている」「宮城県警に黒バイはいないのでは」などの通報が寄せられたことにより、事件が発覚しました。
これらの違法行為により、男は昨年10月に道路運送車両法違反(不正改造)と道路交通法違反(無免許運転)、軽犯罪法違反(称号詐称)の疑いで書類送検されており、初公判で男は起訴内容を認めた上で「警察の活動に興味を持っていた」などと犯行の動機を説明していました。
今回おこなわれた判決公判で裁判官は「警察官と詐称して事故対応に当たったことは、官公職の信用を傷つけかねない悪質な犯行」と非難しました。
その一方で、裁判官は男について「事実を認め反省の弁を述べている。また前科がなく、社会で更生させるべき」などとして、拘禁刑6か月、執行猶予3年、科料9000円の有罪判決を言い渡しました。
今回の判決に対してインターネット上では「警察を名乗っても科料9000円? 安すぎる。しかも無免許でしょ」「執行猶予が付いたらほぼ無罪みたいなもんだし、ほんと裁判所って甘すぎるわ」「警察官を名乗る行為を重罪にすれば、警察になりすます詐欺行為も減ると思う」など、警察官へのなりすまし行為に対する厳罰化を求める声が寄せられています。

2025年12月には東京都内において、偽の覆面パトカーで赤色灯を点灯してサイレンを鳴らしながら飲酒運転をした男が電柱に衝突し、同乗していた女性に胸骨骨折の大けがを負わせる事故が発生しました。
この事案で男は道路交通法違反(整備不良)と自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕されたほか、偽パトカーで交通違反を繰り返した道路交通法違反の容疑でも追送検されています。
またSNS上では白バイ隊員のような格好・車両の人物が道路を走行する様子が投稿され物議を醸すケースもみられます。警察官のような格好をしたり、パトカーや白バイを模した車両などを運転したりする行為は、法令に抵触するおそれがあるため注意しなければなりません。
たとえば今回の事案のように警察官を名乗る、警察のエンブレムが付いた衣服を着用するなどの行為は、軽犯罪法第1条第15号に定める違法行為に当たる可能性があります。これは警察官に限らず、消防士や自衛官などと見間違えるような制服を着用した場合も同様です。
加えて、警察の公記号と誤認させるような「POLICE」や「○○県警察」の表示を一般車両に施す行為については、刑法第166条第2項の偽造公記号使用罪に該当する可能性があります。
そして赤色灯はパトカーや救急車、消防車などの緊急自動車以外に装着してはならず、一般車両に赤色灯をつけて走行した場合は道路運送車両法違反に該当します。
そのほか各都道府県の道路交通規則によっては、一般車両が緊急自動車の赤色灯と見間違えるような灯火を点灯したり、緊急自動車のサイレン音に類似した音を発したりすることが禁止されています。
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最近では警察官のふりをして自転車を止め、「青切符の違反だから反則金を払わなければいけない」などと言って現金をだまし取る詐欺事案も発生しており、警察庁が「取り締まりの現場で反則金を徴収することはない」と注意喚起しています。
見た目や言動に不審な点があったり、相手がその場で金銭を要求したりするような場合はなりすましの可能性を考慮し、110番通報や警察署への問い合わせをおこなうことが肝要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



















































