300万円切り! 日産の「新型“5人乗り”コンパクトSUV」に大注目! まさかのカラバリ「グレー1色」限定!? スマホ時代の新“廉価”仕様「新型キックス X シンプルPKG」の実力とは
2026年6月17日にフルモデルチェンジした日産の新型「キックス」のなかでも最安グレード「X シンプルパッケージ」は、299万9700円(消費税込)と300万円を切る低価格設定をウリとしています。どのような位置づけなのでしょうか。
スマホ時代に生まれた「新しいベースグレード」
日産は2026年6月17日、コンパクトSUV「キックス」を6年ぶりに全面刷新(フルモデルチェンジ)しました。
2代目となる新型キックスは、デザインやパワートレインを一新し話題となっています。
なかでも、もっともベーシックな「X シンプルパッケージ(以下、X シンプルPKG)」が、2WDモデルで299万9700円(消費税込、以下同)と300万円を切る新型キックスの最廉価グレードとして登場したことで、注目を集めています。
最廉価とはいえ、先進運転支援機能「プロパイロット」を標準装備し、見た目も上位グレードと大きな差はありませんが、価格を抑えるために省かれたものとは、いったい何なのでしょうか。

新型キックスは、ベーシックなX シンプルPKGと「X」、装備をプラスした「X+」、そして19インチアルミホイールをはじめグロス仕上げのブラック加飾、運転席パワーシートやワイヤレス充電器、パノラミックガラスルーフも標準装備される最上級グレード「G」で構成されています。
ちなみにG(2WD)の価格は389万8400円で、X シンプルPKGとの価格差は89万8700円に及びます。
しかし装備内容を比較しても、新型キックスは全車が最新の第3世代e-POWERを搭載し、プロパイロット、インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)、LDW(車線逸脱警報)、インテリジェントエマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシストなどの先進安全装備を標準装備しています。
ライバル車が備える最新の運転支援機能と比較しても見劣りしない内容です。
さらにLEDヘッドランプやLEDデイタイムランニングランプ、17インチアルミホイール、電動格納式ドアミラー、テーラーフィット巻ステアリング、電制シフト、電動パーキングブレーキ(オートブレーキホールド付)、ドライブモードセレクターなども標準搭載します。
X シンプルPKGであっても十分な装備や外観といえ、最廉価とは思えない内容が揃います。
ただし1点だけ割り切りが感じられるのは、選択できるボディカラーが「ダークメタルグレー」のわずか1色のみという点でしょう。
とはいえ、無難な白や黒ではなくグレーを選ぶあたり、日産のデザイン性に対するこだわりを感じずにはいられません。
なお価格についてベースグレードで比較してみると、ライバルとなるホンダ「ヴェゼル」のe:HEV X(2WD)は299万8000円、トヨタ「カローラクロス」のG(ハイブリッド・2WD)は276万円とさらに安い設定となっており、新型キックスだけが突出しているワケではない点は注意が必要でしょう。
そんな新型キックス X シンプルPKGの特徴をひとことでいうと「最初からシンプルな構成で乗る人向けの完成形」であることです。
主な装備内容は、325万9300円の「X」とほぼ共通ですが、Xには「NissanConnectインフォテインメントシステム」や車載通信ユニット、SOSコール、プロパイロット緊急停止支援システム、アラウンドビューモニター、BSI(後側方衝突防止支援システム)/BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)などがメーカーオプションで用意されています。
対してX シンプルPKGでは、メーカーオプションでの設定すらありません。唯一のオプションは、ディーラーで装着できるディスプレイオーディオもしくはナビゲーションのみという、かなり割り切った設定です。
近年はスマホのナビアプリが高機能化し、渋滞情報を踏まえたルート案内も容易となりました。音楽もストリーミングサービスが主流になり、車内に限らず家庭などでもCDやDVDを使う機会はほとんどありません。
こうした現代のライフスタイルを考えると、「高価な純正ナビやディスプレイオーディオすら不要で、スマホがあれば十分」と考える合理的なユーザーが増えるのは自然な流れです。
スマホで代替できる部分は潔く省く一方で、最新のSUVらしいスタイルや燃費性能など、クルマ側でしか実現できない価値を着実に磨いてきました。
とくに今回の新型キックスは、従来型よりもスタイリッシュなデザインが大きな特徴です。
SUVらしい力強さと都会的な洗練さを両立したスタイリングに加え、燃費性能を高めた第3世代e-POWERや最新のプロパイロットによって、所有する満足感も十分に得られるでしょう。
つまり新型キックス X シンプルPKGは、価格を抑えるための廉価版というよりも、必要なものと不要なものを明確に切り分けたグレードといえそうです。
スマートフォンで代替できる装備にはお金をかけず、その一方でデザインや走行性能、安全性能には妥協しない。そんな価値観を持つユーザーに向けた、現代らしい選択肢なのではないでしょうか。
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第3世代e-POWERやプロパイロットといった新型キックスの魅力はそのままに、ユーザーによって評価が分かれる装備を見直したことで、300万円を切る価格を実現したX シンプルPKG。
「必要なものだけを選ぶ」という新しい価値観に応えたグレードといえそうです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど



































































