クルマは所有よりシェアする時代へ 自動車メーカーも参入するカーシェアリングが拡大する理由とは
登録すれば自分のクルマかのように気軽に使えることから、人気が高まっているカーシェアリング。急激に市場が拡大している理由はなんなのでしょうか。
急速に拡大するカーシェアリング市場
近年、「クルマを所有せず、必要なときにだけ使う」というクルマの使い方が増えています。昔からレンタカーサービスは存在しましたが、ここにきてカーシェアリングサービスが急速な勢いて拡大しています。
サービスを利用するには、カーシェアリング事業を行なっている会社の会員となる必要があります。現在カーシェアリング会員数で上位を占めているのが「タイムズカープラス」、「オリックスカーシェア」、「カレコ・カーシェア」の3社です。
2002年に、オリックスがEVを使用したサービスを開始したことを皮切りに、2008年にはカレコが参入。そして、翌年にはコインパーキング事業大手のタイムズも加わることで市場が拡大していきます。
そのなかでも、会員数トップとなるタイムズカープラスは、マツダレンタカーが2005年から展開していたカーシェアリングを引き継ぐ形でサービスを開始。当時は860人だった会員数も現在では100万人を突破しています。
2位のオリックスも17万人、3位のカレコで5万7000人と、トップ3社の合計だけでも約123万人となることから、現在のカーシェアリング市場の盛り上がりがわかります。
『2017年度 乗用車市場動向調査(日本自動車工業会調べ)』の統計によると、クルマを保有していない10代から20代の社会人では、“クルマに関心がない人”の割合が57%、“クルマを買いたくない人”も54%と全体の半数を上回る結果となり、このことからも分かるように近年では「若者のクルマ離れ」が深刻化しています。
若者のクルマ離れという状況のなかでも、タイムズとカレコのカーシェアリング会員の年齢構成は、20代以下が2割強を占めています。また、カレコによるアンケートによれば、若年層の『カーシェア検討理由』として、「クルマに触れる機会がほしかったから(12.8%)」という回答がほかの年代よりも高いです。