ダンロップと富士通、AIでタイヤ解析時間を約90%短縮 2027年の実用化目指す
住友ゴム工業(DUNLOP)と富士通は、タイヤ開発における構造解析にかかる時間を大幅に短縮する技術を共同で開発しました。AIを活用することで、これまで約45分かかっていた解析を約5分で完了させることが可能となります。両社は実用化に向けた検証を進め、タイヤ開発の効率化を図ります。
DUNLOPと富士通、AIを活用したタイヤ構造解析の実証実験において所要時間を約90%短縮
自動車の性能を左右するタイヤの開発には、シミュレーション技術が欠かせません。
しかし、精度の高い解析を行うためには膨大な計算時間が必要となることが課題でした。
この課題を解決するため、住友ゴム工業(DUNLOP)と富士通はAIを活用した予測技術を開発し、実証実験を行いました。
解析時間を約90%短縮しつつ、高い予測精度を維持することに成功しており、今後のタイヤ開発プロセスを大きく変える可能性があります。

製品の設計や評価にはCAE解析というシミュレーション手法が用いられており、タイヤ設計においてもFEM(有限要素法)解析が活用されています。
FEM解析では、対象物を細かいメッシュ状に分割して計算を行いますが、メッシュを細かくして精度を上げようとすると、計算時間が長くなるという課題が存在しました。
さらに、この解析には高度な専門知識が必要であり、対応できる技術者の確保も求められています。
計算負荷と精度の両立という課題に対応するため、DUNLOPと富士通はAIを活用した新たな解析モデルを共同で開発。
この技術は、グラフ構造データを扱うAIモデルであるグラフニューラルネットワーク(GNN)をベースにしています。
タイヤのメッシュ形状に加え、空気圧、荷重、材料情報(ゴムやスチール、ポリエステルなど)を入力データとして使用し、過去の解析データをもとに近似値を高速に予測する仕組みです。
両社が行った実証実験では、タイヤが路面に接地した際の変形挙動などを対象に評価を実施。
その結果、従来のFEM解析では約45分を要していた作業が、約5分で完了することが確認されました。
約60万要素の規模において、解析時間を約90%削減しつつ、接地形状を平均87.7%の精度で予測しています。
これにより、タイヤの仕様決定にかかるプロセスが短縮され、開発の効率化とコストの最適化が見込まれます。

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本技術は、富士通が開発を進める次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」での動作を想定して設計されています。
2026年12月までに同CPUの検証機を用いた実証を開始し、処理速度や電力効率の向上を図る予定です。
DUNLOPは、専門知識を持たない設計者でも利用できる支援ツールとして開発を進め、2027年4月に実運用を開始する計画です。この取り組みを通じて、より高品質なタイヤの迅速な市場供給が期待されます。
Writer: くるまのニュース編集部
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