秘密の現場が公開? 部品メーカー初の見学会が人気の理由

部品メーカーがなぜ大々的に工場見学コースを設置して一般公開?

 それにしてもなぜ、機密性の高い自動車部品メーカーの製造現場に、このような見学コースが設置されたのでしょうか。

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 工場見学が開催されている株式会社デンソー 高棚製作所 所長の吉田氏は次のように話します。

「見学コースには、1900年代初頭からのスピードメーターや、歴代クラウンのメーター、HUD(ヘッドアップディスプレイ)などさまざまなメーターが展示されています。自動車部品の歴史と最新の日本のモノづくりを、多くの方々に近くで見ていただきたいという想いからオープンしました。私たちが子供のころ、モノづくりの現場はとても身近な場所にありました。小学校までの通学路には色々な町工場があって、帰り道に友だちと作業の様子を見に行くこともありました。

 しかし、現代では自動車関連の工場をはじめ、規模が大きくなったこともありますが、そのほとんどがベールに覆われており、気軽に寄り道するなんてことはできません。技術力も生産力も世界トップクラスの日本にいながら、それらの現場を見ることも感じることもできないのは、とてももったいないことだと感じたのです。

 今回、実施したTAKATANAファクトリーツアーでは、小学生から大人の方まで身近にモノづくりの現場をご覧いただきたいと思っています」

※ ※ ※

 日本の基幹産業と言われる自動車製造ですが、近年は“若者のクルマ離れ”や理系離れなどの問題もあり、日本で後継者を育てることが厳しくなってきています。今回の見学ツアーのように“モノづくりの原点”を子どもたちに見せ、まずは興味をもってもらえる施策が増えればよいと思いました。

【了】

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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