スズキの超ゴツ顔「“小さな”ピックアップ」がカッコいい! “全高1.9m”フレーム構造ボディに「ジムニー」譲りの“悪路走破性”実現! アウトドアで大活躍の「斬新エックスヘッド」とは!
未舗装路を力強く進むタフな外観と、多くの荷物を積載できる実用性を兼ね備えたピックアップトラック。注目度の高まりつつあるこのカテゴリですが、スズキは十数年以上も前にこのトレンドを予見していたかのようなコンセプトカーを提案していました。
スズキの超ゴツ顔「“小さな”ピックアップ」がカッコいい!
近年の日本の自動車市場では、キャンプをはじめとするアウトドアレジャーの盛り上がりを背景に、悪路走破性に優れたSUVにくわえて、荷台を備えたピックアップトラック(以下、ピックアップ)の注目度も高まりつつあります。
一時期は新車ラインナップから消えていたピックアップですが、トヨタ「ハイラックス」や三菱「トライトン」が復活し、2026年にはトヨタの大型ピックアップ「タンドラ」も日本市場に導入されました。
未舗装路を力強く進むタフな外観と多くの荷物を積載できる実用性を兼ね備えたピックアップは、休日の遊びを充実させるパートナーとして熱狂的なファンから支持を集めているのです。
実は、こうした現代のトレンドを今から十数年以上も前に見据え、ひとつの具体的な形として提示していたコンセプトカーが存在しました。
それこそが、2007年に開催された「第40回 東京モーターショー」でスズキが発表した「X-HEAD(エックスヘッド)」です。

このX-HEADは、スズキが長年培ってきた四輪駆動車の技術と、商用車のノウハウを融合させた「クロスユーティリティビークル」として企画されました。
具体的には、本格的な軽オフロード車である「ジムニー」の機動力、SUVの「エスクード」が持つ高い走破性、そして軽トラック「キャリイ」の優れた積載能力という、スズキを代表する3つのモデルの長所を一台に集約するという非常に欲張りなコンセプトが掲げられていました。
実際、シャシはジムニーで培われたフレーム構造をベースとし、3リンクリジッドサスペンション、大径オフロードタイヤ、LSD付きセンターデフを備えたフルタイム4WDを組み合わせるなど、悪路走破性を重視した仕様に仕上がっています。
そして外観のデザインは、建設現場で活躍する重機や軍用車両を連想させるような、極めて無骨で力強い造形が特徴です。
鮮やかなイエローのボディカラーに対して、前後バンパーや大きく張り出したオーバーフェンダーには艶消しのブラックが組み合わされ、傷や汚れを気にせずに使える道具としてのタフさが表現されていました。
また、車名にも含まれる「X」の文字をモチーフとしたデザインが、フロントグリルやタイヤのトレッドパターン、さらにはシートの形状など車両の随所に散りばめられており、力強さの中に遊び心も取り入れた意匠となっています。
ボディサイズは、全長3750mm×全幅1695mm×全高1860mmと、日本の道路環境で非常に扱いやすいコンパクトな5ナンバー規格に収められています。
しかし、キャビンを前方に配置した独特のプロポーションと、足元を支える大径のオフロードタイヤによって、数値以上の圧倒的な存在感を放っていました。
運転席の背後にあたる車体中央部には、1.4リッターのエンジンを搭載するミッドシップレイアウトを採用し、フルタイム四輪駆動システムと組み合わせることで、乗員の居住スペースと荷台の広さを確保しながら、優れた重量バランスと悪路走破性を実現しています。
そして、X-HEADの最大の特徴と言えるのが、使用目的によって後ろの荷台部分の架装を自由に変更できるユニット交換システムです。
モーターショーの会場では、大人2人が車中泊できる居住空間を備えた「キャンパー」仕様、山岳地帯や市街地での救助活動を想定した機材を積む「レスキュー」仕様、そして日常の買い物からレジャーまで幅広く使える多目的荷台の「ファッション」仕様という、3種類の異なるユニットが提案されました。
用途に合わせてクルマの形そのものを変えるという発想によって、ユーザーのライフスタイルに寄り添う究極の多目的車としての可能性を示していたのです。
その後の結果として、X-HEADが市販化の道を歩むことはありませんでした。
しかし、高い積載性とタフなデザインを兼ね備えた小型トラックというアイデアは、後に登場する「スーパーキャリイ」や、世界中で支持されるジムニー
のコンセプトに少なからず通じる部分があります。
現代のアウトドア志向のクルマ作りにおいて求められる要素を、2007年の時点で緻密にパッケージングしていたX-HEADは、スズキの柔軟な発想力と先見の明を証明する一台として、現在でもファンの間で語り草となっています。
Writer: くるまのニュース編集部
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