トヨタ「ハイラックス」生誕50周年 タフさと快適性を磨き続けた半世紀の軌跡を振り返る

広い室内空間と静寂性の両立が図られた6代目モデル

 1997年9月に発売した6代目は、トラックとしての機能を優先した『ビジネスユース(商用)』仕様と、『パーソナルユース(乗用)』仕様の2シリーズで構成されています。

 パーソナルユースでは『スポーツピックアップ』の名を冠し、RVとしての機構や装備を充実させるため、室内高と室内長を拡大するとともに、静粛性を向上。また、1997年11月登場のワイドボディ(全幅+100mm)の「エクストラキャブ」では、後席に2名分の補助シートを備えながら、充分な荷台長を確保しました。

 エンジンはガソリンが2リッターと2.7リッター、ディーゼルが2.4リッターターボと3リッターの計4機種を用意。2WD/4WDモデル共に「ダブルキャブ」と「エクストラキャブ」が設定されています。

2004年登場の7代目は高いレベルの耐久性と快適性を実現

 2004年8月に発売した7代目は、世界140か国以上の市場に導入することを前提とし、6代目までの無骨でタフなイメージを継承しつつも、広い室内空間が確保されています。乗用車の乗り心地とSUVの利便性を高い次元で両立させることで、21世紀を生き抜くクルマとして開発されました。
 
 また、このモデルはピックアップトラック3車型(ハイラックス)とミニバン(イノーバ)、SUV(フォーチュナー)を同じプラットフォームとするIMV(イノヴェーションインターナショナル・マルチパーパス・ヴィークル)プロジェクトの一貫として、開発・生産されています。
 
 残念ながらこの7代目「ハイラックス」は日本での生産ではなくなり、タイ、南アフリカ、アルゼンチンから、世界各国へ供給し、ほかにもマレーシア、パキスタン、ベネズエラで生産されていました。

13年ぶりに国内復帰、最新技術を導入した8代目

 2015年5月に発売した8代目は、開発にあたり『道が人を鍛える。人がクルマをつくる』という考えのもと、世界中の様々な道を走り、使用環境を実際に体験するとともに、ユーザーからの声を直接聞くことで生み出されました。

2015年登場の8代目「ハイラックス」

 このモデルでは、『タフの再定義』を開発コンセプトとして掲げ、あらゆる観点からタフさを追求。「低燃費がもたらす、ゆとりある航続距離」「過酷な道を安全に走るための疲れにくい乗り心地」「車内のコミュニケーションに影響しない静かな室内」という新基準を設け、「丈夫さ」「力強い走り」「走破性」「衝突安全性」を徹底的に鍛えなおしました。

 また、2017年9月12日に、13年ぶりとなる国内販売復帰が果たされました。国内向けは2.4リッターのディーゼルエンジンを搭載。大柄なボディながらも燃費11.8km/L(JOC08モード)の達成や、レーダー+単眼カメラ方式の安全運転支援システム「プリクラッシュセーフティ(昼間の歩行者検知機能付き衝突回避支援タイプ)」(Zモデルのみ搭載)を装備するなど、様々な面で進化を遂げています。

【了】

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