日本の大動脈「新名神高速」工事の進捗は? 高槻では「かなり高い橋桁」出現で171号をまたぐ 「枚方トンネル」は変わらず“凍結中” 未開通区間は今どうなっている?

中部から西日本の大動脈となる「新名神高速」の建設が進んでいます。このうち高槻市内の工事について、現地を視察しました。

空に架かる「橋桁」出現もまだまだ開通は先

 中部地方から近畿地方に向かう「名神高速」のバイパスとなる「新名神高速」の建設が進んでいます。
 
 このうち、「2027年度までの開通が困難」と示された高槻JCT周辺の工事はどこまで進んでいるのでしょうか。

 名神高速は、東京〜名古屋間を結ぶ東名高速とともに、東日本方面と西日本の往来を栄える、日本の大動脈です。

 しかし、交通量は開通から現在に至るまで爆増し、交通量はひっ迫。旧態依然とした狭い構造であることから、各地で渋滞が発生し、さらに経年による劣化も顕著になっています。

 この名神の「バイパス」となるべく建設されているのが新名神です。

 ルートは現道の名神では、名古屋市を北に迂回し岐阜県を通るルートになっていますが、新名神は異なり、新東名から直通の伊勢湾岸道 四日市JCTからほぼ真西に進み、三重と滋賀の県境付近を経由して神戸に向かう、比較的まっすぐな経路をたどります。延長約160kmです。

 広くて線形もよくて走りやすく、さらに最短経路となることから、時間短縮になります。また、既存の名神高速と合わせることで、どちらかが災害や事故で寸断されたときの相互バックアップにもなります。

 もし全線開通すれば、豊田JCT~神戸JCTの所要時間は名神・中国道経由で約160分かかっている現状が、約120分に短縮。

 物流の視点では、関西~中部を横断する約19万トン/日、関西~中国四国を横断する約13万トン/日という途方もない量の荷物がスムーズに動けるようになります。

建設中の新名神の様子(画像:くるまのニュース編集部撮影)
建設中の新名神の様子(画像:くるまのニュース編集部撮影)

 さて、そんな新名神ですが、2008年2月に亀山JCT~草津田上ICが開通後、2017年には城陽JCT~八幡京田辺JCTと高槻JCT~川西ICが、2018年には川西IC~神戸JCTがそれぞれ開通済みです。

 この区間だけでも、関西屈指の大渋滞ポイントとなっていた中国道 吹田JCTを回避でき、滋賀の琵琶湖東側に沿って走る必要もなくなったことから、ショートカットの恩恵を受けることができています。

 残る未開通区間は、大津JCT(滋賀県)~城陽JCT(京都府)の約25.1km、八幡京田辺JCT(京都府)~高槻JCT(大阪府)の約10.7kmの2区間です。

 この区間は既存の名神を通らざるを得ず、かなりのボトルネックになっています。

 東側の大津JCT~城陽JCT間では、2026年3月末時点で用地取得が完了し、工事着手率は100%で、工事の完了を待つ状態です。ただし、2025年12月の「第4回連絡調整会議」では、舗装工事の完了までには少なくとも3年以上かかるとしています。

 そして、難儀しているのが八幡京田辺JCT〜高槻JCT間です。

 現在、高槻JCTの一部で用地取得が完了しておらず、一部で工事を開始するに至っていません。2026年3月末までの用地取得率も、まだ98%となっています。

 すでに用地買収が完了した区間では順次工事が開始されていますが、この区間は土工区間が約2割、トンネルが約4割、橋りょうが約4割を占めるという工数のかかる区間となっています。

 さらに、周辺には住宅や工場、名神や国道171号など既存の道路や東海道新幹線、JR京都線などの鉄道路線をクリアしなければならないという、難しい箇所になっています。

 とはいえ、高槻JCT周辺ではすでに立派な高架橋が出現しており、残る区間は着々と工事が進められています。

 2026年5月下旬現在の状況では、下を通る171号の上空に橋桁がかかりました。高いところにある高槻JCTと接続するため、かなりの高さになっており、目測でマンション10階建ての高さほどとなっています。これは淀川を挟んだ対岸の枚方市からも目立ちます。

 ただし、近接の東海道新幹線や阪急、JRをまたぐ部分は橋桁はかかっていません。

 淀川付近も同様に、まだ橋脚の工事が行われているところで、淀川には橋はかかっていません。名所である「鵜殿のヨシ原」を保護しつつ、枚方市内の船橋川手前でトンネル区間「枚方トンネル」に入ります。

 ちなみに「第4回連絡調整会議」の議事録によると、枚方トンネルの工事では、2020年に東京の外環道建設現場でトンネル掘削中、大規模な道路陥没事故が発生したことを踏まえ、2021年に「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」が策定。

 これに伴い、設備の追加や施工の変更が生じ、工事全体の計画が見直しされています。

 さらに、予定していた工法で進めようと準備していたなか、同じ工法を用いた別の工事で想定を超える時間と騒音が発生したこともあり、追加手順が発生することになりました。

 枚方トンネルではこれらの影響をもろに受けた形で、掘り進める作業の完全停止を強いられています。なおトンネル工事は2026年度の冬ごろから稼働する予定です。

 船橋川からから八幡京田辺JCTまでは直線距離にして4km程度ですが、ここの区間もネックになっています。

 トンネル工事完了の見通しがたった時点で、改めて開通目処が公表される予定です。

 地上で目に見える部分は工事が進んでいるものの、枚方トンネル区間の完成はまだまだ未定といったところで、まだまだ開通までの道のりは長そうです。

 まずは城陽JCTまでが先に開通しそうですが、2030年以降へとずれ込むことは避けられません。今後の動向に期待したいところです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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