新型「スポーツカー“ルーチェ”」世界初公開! 全長5mの4ドア“5人乗り”&「旧車風」ステアリング採用! “1000馬力超え”パワトレ搭載の新たな「フェラーリ」伊国でお披露目

フェラーリは2026年5月25日(現地時間)、ブランド初となるBEV(電気自動車)の4ドアスポーツカー新型「ルーチェ」をイタリアで世界初公開しました。伝統の枠を超え、4ドア・5人乗りというこれまでにない革新的なパッケージを採用した次世代の跳ね馬は、どのような進化を遂げているのでしょうか。

跳ね馬の歴史を塗り替える異次元マシン!

 高級スポーツカーメーカーであるフェラーリは2026年5月25日(現地時間)、同社の新たな歴史の幕開けを告げるBEV(電気自動車)モデル新型「ルーチェ(Luce)」を発表しました。

 この歴史的なワールドプレミアの地には、1947年にフェラーリが「125 S」で初勝利を挙げた象徴的な場所であるイタリアのローマが選ばれました。

 従来のフェラーリは、内燃機関をフロントミッドシップやミッドシップ、あるいはハイブリッド(PHEV)として搭載し、独自のスポーツカー世界を構築してきました。近年ではブランド初の4ドア4人乗りモデル「プロサングエ」を投入して世界中を驚かせましたが、今回の新型ルーチェはそれをさらに上回る大変革を遂げています。

 一方で今回初公開となったルーチェは、フェラーリが掲げる「技術的中立性」のもと、既存のエンジン車を置き換えるのではなく、電気自動車のアーキテクチャだからこそ実現可能となった全く新しいセグメントのモデルです。

往年の名車「360モデナ」や「458イタリア」をオマージュした丸型のハロテールライトを採用。透明なライトパネルがprimary surfaces(ボディ表面)と一体化し、消灯時は滑らかに溶け込む美しいテールデザインです
往年の名車「360モデナ」や「458イタリア」をオマージュした丸型のハロテールライトを採用。透明なライトパネルがprimary surfaces(ボディ表面)と一体化し、消灯時は滑らかに溶け込む美しいテールデザインです

 高性能BEV専用プラットフォームを採用した、フェラーリ史上初となる4ドア・5人乗りのレイアウトを実現しています。

 注目のパワートレインには、各車輪に1基ずつ、計4基の永久磁石同期モーターを配置する電動全輪駆動システムを初搭載。システム最高出力は1050馬力・最大トルク990Nmを発生します。

 この強烈なパワーと各輪を独立して制御する高度なトルクベクタリング技術により、0-100km/h加速はわずか2.5秒、0-200km/h加速は6.8秒、最高速度は310km/h以上という、最新のスーパーカー「F80」譲りの圧倒的な俊敏性を誇ります。

 床下に統合された大容量122kWhのバッテリーパックは、剛性アップに寄与する構造部材としても機能。最大350kWのDC急速充電に対応しており、わずか20分で70kWh分のエネルギーを充電できます。

 また、満充電時の航続距離は530km以上(ホモロゲーション取得前の予測値)を達成し、日常のグランドツーリングを余裕でこなす実用性も備えています。

 圧倒的なスペックと同等かそれ以上に注目を集めそうなのが、そのエクステリアデザインです。デザインを手がけたのは、元アップル(Apple)のチーフ・デザイン・オフィサーであるサー・ジョニー・アイブ(Sir Jony Ive)氏とマーク・ニューソン(Marc Newson)氏が率いるクリエイティブ集団「LoveFrom(ラブフロム)」です。

空力と室内空間を極限まで両立したファストバックスタイルに、量産ロードカー最大級となるフロント23インチ、リア24インチの異径大径ホイールが圧倒的な存在感を放ちます
空力と室内空間を極限まで両立したファストバックスタイルに、量産ロードカー最大級となるフロント23インチ、リア24インチの異径大径ホイールが圧倒的な存在感を放ちます

「簡素化と純粋さ」をコンセプトに、航空機のプロファイルに着想を得た滑らかなガラスハウス(キャビンシェル)や、その周囲を浮遊するように配置されたフロントとリアのフローティング・エアロダイナミック・ウイングが特徴です。

 これらにより、フェラーリのロードカー史上最も低い空気抵抗係数(Cd値)を叩き出しています。

 ボディサイズは全長5026mm×全幅1999mm×全高1544mm、ホイールベースは2961mm。足元にはフロント23インチ、リア24インチという量産ロードカー最大クラスの異径大径ホイールを装着しています。

 しかし、かつてのクラシカルな内燃機関スポーツカーの黄金比から、空力とパッケージングを最優先した未来的なフォルムへと劇的に変化したことで、従来の跳ね馬ファンからは賛否が分かれそうなデザインとして大きな議論を呼ぶことは間違いないでしょう。

 その過激なルックス以上に、これまでのフェラーリの概念を覆すのがインテリアです。ラブフロムが目指した「簡素化と純粋さ」はキャビンにも貫かれ、中央を遮るトランスミッショントンネル(センターバリア)を廃止することで、ブランド初となる広大でラグジュアリーな「5人乗り」の居住空間を生み出しました。

 コックピットには、サムスンディスプレイと共同開発したマルチレイヤーOLED(有機EL)スクリーンが並びます。

 さらに注目のステアリングホイールには、1950〜60年代に名匠エンリコ・ナルディがフェラーリのために手がけたウッドステアリングに敬意を表し、100%リサイクルアルミニウムを用いて現代的に再解釈した、シンプルで美しい3本スポークデザインを採用。サステナブルでありながら伝統と革新が融合した未来のラグジュアリーを提示しています。

 もちろん、走りの演出に対するフェラーリの執念も健在です。BEV特有の人工的な電子音ではなく、電気アクスルやギヤのメカニカルなリアル音をセンサーで捉え、まるでエレキギターのアンプのように増幅して響かせる世界初の「オーセンティック・サウンドシステム」を搭載。

 さらにF80由来のアクティブサスペンションや、初採用の弾性マウント式リアサブフレームにより、ブランド史上最高峰の極上の乗り心地と静粛性(NVH性能)も両立しています。

 イタリア語で「光」や「方向性」を意味する名を与えられた新型ルーチェ。具体的な車両価格や日本導入時期についてはまだ明らかにされていませんが、フェラーリの電動化への挑戦が単なるエコカーの追加ではなく、極上のエモーションを乗客全員で共有できる新世代のハイパフォーマンスカーの提案であることを証明する、世界が注目する1台になりそうです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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