「モバイルバッテリーの発火」でクルマが“廃車”になることも!? 暑さが増すこれからの時期は要注意! “発火事故”を防ぐためのポイントとは
暑い日も増えてきましたが、注意したいのがモバイルバッテリーの発火事故です。特に高温の車内に放置すると発火して重大な事故につながるおそれがあるため、安全な取扱い方法を知ることが大切です。
人気YouTuberの愛車も廃車に…他人事ではない発火事故
5月も後半に入り、全国各地で気温が30度以上の「真夏日」を観測するなど、次第に暑さが増しています。このような猛暑の時期に気をつけたいのが、モバイルバッテリーをはじめとする「リチウムイオン電池搭載製品」の発火事故です。
リチウムイオン電池を高温の場所に置くと、熱の影響で異常反応が起きて発熱や破裂、発火するおそれがあり、消費者庁や各自治体が注意を呼びかけています。
なお製品評価技術基盤機構(NITE)の統計によると、2020年から2024年までの5年間にリチウムイオン電池搭載製品による事故が1860件発生し、そのうち1587件(約85%)が火災事故につながっています。
製品別ではモバイルバッテリーの事故が最も多く、そのほか電動アシスト自転車や充電式掃除機、充電式電動工具などの事故が報告されています。
さらに事故の発生件数は春から夏にかけて、気温の上昇とともに増加する傾向にあり、6月~8月にかけての事故発生件数が最も多い状況です。
スマートフォンが必需品となっている現在、充電用にモバイルバッテリーを持ち歩く人も多く、これからの時期は発火事故に注意すべきといえるでしょう。

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2026年5月18日には、東京都品川区の東急池上線・旗の台駅で停車中の電車内において、男子中学生のリュックサックに入っていたモバイルバッテリーが燃え、近くにいた乗客の女性が腕に軽いやけどをする事故も発生しています。
そして、モバイルバッテリーの扱いで特に注意したいのが「クルマの中に放置すること」です。
JAFが2023年8月におこなった車内温度に関するユーザーテストでは、最高気温34度、最低気温25.3度の条件下で車内温度は48度まで上昇したほか、ダッシュボードにいたっては57.8度まで上昇しました。
これからの時期の車内は高温になりやすく、モバイルバッテリーが発熱して出火する危険があることから、クルマに置きっぱなしにしないことが大切です。
2026年5月20日には、旅行系の人気YouTuber・おのだ氏が自身のX(旧Twitter)で以下のように投稿し、モバイルバッテリーの発火によって愛車のテスラが廃車になったことを明らかにしました。
「私の車ですがモバイルバッテリー発火で廃車となってしまいました。車内のドリンクホルダーにモバイルバッテリーを置いていたところ、発火していました。
不幸中の幸いですが、発火時に車内には誰もおらず被害は車だけです。皆さんもお気をつけ下さい。モバイルバッテリーの発火、本当に怖いです」
おのだ氏によると、モバイルバッテリーは使用歴1年4か月の製品で、当時は充電をしていなかったということです。また続けて、次のように投稿しています。
「車は電気自動車(テスラ)でしたが、車自体が発火の原因ではありません。
また私事ではありますが、車両保険に加入していない保険プランだったため、750万円で購入した車にもかかわらず、一切補償を受けられず、買い直すことになります。まさかモバイルバッテリー発火で廃車になるとは想像していませんでした」
このように、モバイルバッテリーは身近な製品ですが、状況によっては発火の危険があることを念頭に置き、安全な使用を心がけましょう。
発火事故を防ぐためには、ユーザーが以下のポイントを守ることが重要です。
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・高温の環境下で放置しない
・強い衝撃や圧力を与えない、水に濡れないようにする
・充電時の安全を確保する
・異常を感じたらすぐに使用を中止する
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高温下の使用に限らず、強い衝撃や圧力、水濡れなども内部の構造を壊し、発火につながるおそれがあります。
またモバイルバッテリーを充電する際は時々様子を見ながら、充電中に異様に熱くなったり膨らんで変形したりするなどの異常がないかをチェックしましょう。
そのほか、連絡先が確かなメーカーや販売店で製品を購入する、購入後もリコール対象になっていないか確認するといったことも大切です。
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マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが全国の20~69歳の男女1100人を対象に実施した「モバイルバッテリーに関する調査(2025年)」によると、モバイルバッテリーを所有している人は全体の52.8%と半数以上にのぼり、外出時に持ち歩く人は35.8%という結果でした。
加えて、モバイルバッテリーの発火や膨張などのニュースを見聞きしても、「特に何も気にしていない」が36.4%、「安全性については気になるが、特に使い方や製品を変えてはいない」が23.1%という結果であり、使用者の安全意識の低さが浮き彫りとなっています。
発火事故が起きれば周囲の人や車両などを巻き込む危険もあることから、各ユーザーがモバイルバッテリーの安全な使用方法について改めて確認すべきでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。










