「業者が大丈夫と言ったから…」は通用しない。カーポートが原因で家を売れなくなる前に知っておきたい建築基準法の落とし穴
柱と屋根だけで構成される簡易的な車庫であるカーポートは、意外にも建築基準法では「建築物」として定義されています。実際に設置する際にはどのような点に注意すべきなのでしょうか。
知らなかったでは済まされない?
ライフスタイルの変化にともない、自宅のリフォームや増築をおこなう人も少なくありません。
その中で、必要な手続きをせずにカーポートを設置する人が見受けられますが、これは法律に違反する可能性があるため注意が必要です。
柱と屋根だけで構成される簡易的な車庫であるカーポートですが、意外にも建築基準法では「建築物」として定義されています。
法律上、建築物とは「土地に定着する工作物のうち、屋根および柱もしくは壁を有するもの」とされており、壁のないカーポートもこの条件に該当するためです。したがって、カーポートを設置する際には建築基準法が適用され、適切な手続きを踏まないと違法となる可能性があります。
建築物を建てる際には、都市計画区域などでは原則として「建築確認申請」という手続きが求められます。
これは、その建築計画が建築基準法や各市町村の条例などに適合しているか、事前に確認を受けるためのものです。自宅の敷地にカーポートを追加で設置する場合は「増築」と見なされ、特定の条件下ではこの建築確認申請が必須となります。
具体的には、自宅が「防火地域」または「準防火地域」に指定されている場合、カーポートの面積にかかわらず、必ず建築確認申請をおこなわなければなりません。
これらの地域は「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」であり、火災の延焼リスクを低減させる目的から、すべての建築物に対して安全性のチェックが義務付けられています。

また、防火地域や準防火地域以外のエリアであっても、増築するカーポートの床面積が10平方メートルを超える場合には、同様に建築確認申請が必要です。一般的なクルマ1台用のカーポートでも床面積が10平方メートルを超えることが多いため、実際には申請が免除されるケースは少ないといえるでしょう。
しかし、建築確認申請の必要性を認識していない人や、申請を代行業者に依頼した場合に数万円から数十万円程度の費用がかかることから、あえて申請をしないというケースが後を絶ちません。
インターネット上では「近所の人から違法建築だと役所に通報された」「カーポートを建てたら建ぺい率オーバーになって、住宅を売却できなくなった」といった嘆きの声も上がっています。
建築確認申請をせずにカーポートを建築すると建築基準法違反に該当し、自治体からの行政指導や是正命令の対象となります。さらに、悪質なケースと判断されれば、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性もあります。
手続きの不備に加えて、カーポートを設置した結果、敷地面積に対する建築面積の割合である「建ぺい率」の上限を超えてしまったり、カーポート自体が防火・構造など性能面で基準を満たしていなかったりする事例も見られます。
これらの場合も法律違反となり、行政から是正や撤去を求められる可能性があります。必要な措置をとらないままでいると、将来的に住宅を売却する際に違反建築物の存在が支障となる事態も想定されます。
カーポートの建築に関しては「設置業者が申請なしで建てられると言っていた」「近所の人も申請していないから建てた」など、あいまいな理解のまま手続きを怠るケースが多い状況です。
新しくカーポートの建築を検討する際は、ご自身の住むエリアが防火地域・準防火地域に該当するか、計画しているカーポートの床面積はどれくらいかなどをきちんと確認することが大切です。
そして、困ったときには自己判断せず、自治体の建築指導課といった専門の部署に相談するようにしましょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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