クルマが進化してもアナログメーターはなくならない? デジタルでも「アナログ風」そのメリットは
ハイテク化してもやっぱりメーターは「アナログ風」?
トヨタでも、数字のみを大きく表示するデジタル式メーターは「プリウス」「アクア」など少数派となっています。これらの車種は、ダッシュボードの中央にインパネが配置される「センターメーター」方式で、「プリウス」では初代から現行の4代目まで一貫してこのセンターメーター・デジタル表示を継承してきました。
センターメーターも、ハンドル越しにメーターを見る必要がないという視認性のメリットがあり、速度の数字を大きく表示するタイプのデジタル式メーターと相性がよいのかもしれません。しかしながら、センターメーターは車種の設計やドライバーの身長によっては、メーターのフードが盛り上がって視界を悪くすることなどから、運転席側のメーター配置に戻されたケースもあります。
一方、デジタル式のインパネはさらに進化しており、ハンドル越しのインパネに多くの情報が集約される傾向も。たとえばアウディが「A8」や「TT」などで採用している「バーチャルコックピット」では、カーナビの画面も大きくインパネに表示、その左右にアナログ風のスピードメーター、タコメーターも表示されます。
「表示モードに応じて、スピードメーターやタコメーターの表示も大きくなったり小さくなったりしますが、小さくなっても数字のみではなく、針も表示されます。アナログ風の表示のほうが、古くから親しまれてきていますし、スピードの上がり方などが客観的にわかります」(アウディ・ジャパン)
「RS」などのスポーツモデルでは、バーチャルコックピットのメーター表示方法も大きく3つあるそうです。
ひとつは、スピードメーターとタコメーターを大きく左右に表示するモード、ふたつめは上に挙げたように、ナビなどの画面の左右にそれぞれのメーターを小さく表示するモード、そして3つ目は、センターにタコメーターを大きく表示し、その真ん中にスピードを数字で表示するという、スポーツカーで古くから見られるメーター配置を再現したものです。
なお、バーチャルコックピットは一部車種ではオプションですが、これを選択しない場合はアナログメーターになるといいます。
インパネのデザインや機能は、今後さらに多様化していくことでしょう。アウディのようにアナログ風の表示が重視される傾向もありますが、もしかしたら、これまでに見たことのないようなデザインが生まれるかもしれません。
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