シトロエンらしさは健在!? 新型「C5エアクロス」をフランスで試乗してみた! パワフルな1.2リッター「ターボ」搭載の “新世代SUV”の実力とは
シトロエンの新型「C5エアクロス」が、2026年4月16日から日本でも発売されました。今回は発売前にフランスで新型C5エアクロスに試乗。1.2リッターターボ+48Vマイルドハイブリッドを搭載した最新SUVの実力をチェックしました。
“ビッグ・シトロエン”らしい快適性とは
水平基調の、外国目線での“ZEN”が漂う、必要なものが美しく揃った引き算の美学によるインテリアは、むしろC5 Xの直系といえます。ただし13インチのタッチスクリーンが縦型で、前方視界がより広々と感じられます。

またホイールベース2790mmと先代より60mmも伸びた分、リアシートの足元が広く、シートのアドバンストコンフォートぶりもブーストアップ。前列だけでなく後列の乗員にも優しく快適な座り心地を実現してきました。
でもシトロエンといえば、やはり気になるのは乗り味と乗り心地。一見、1630kgの車重と車格に対してプアそうに思える1.2リッターターボのMHEVということで心配したのですが、まずは動的質感について、最初の数kmを走っただけでその偏見は見事に覆されました。
発進から30〜40km/hの速度域までは、電気モーターが力強いのに黒子のような働きぶり。そこから先はエンジンがトゥルルンと目覚めるのですが、介入から切り替わりモードがきわめて滑らかで大人しく、いつしか意識しなくなるほど静かです。
もちろん、遮音性を高めたボディとアコースティックガラスの効果もありますが、周囲の風景は流れていくのに車内は静謐なままという感覚は、MHEVなのにストロングハイブリッドっぽい、C5エアクロスの矛盾に満ちた動的質感といえます。低負荷時はICEで、パンチの要る中間加速や登り坂は電気との協業、伸びの要る時は再びICE、減速回生は随時といった具合です。

加えてごく微低速域から、PHC入りサスことダンパー・イン・ダンパーを介して、まるで路面を極上のシルクタッチで撫でるかのような、しなやかな優しい入力を伝えてきます。石畳のような路面をガーっと踏み込んでいってもノイジーな共鳴音が車内に響かないのは、もはやクラスレスに上品さを感じさせるほど。
上下のストローク量は往年のハイドロ・プニューマティックほどではないとはいえ、微低速域から高速域までマジックカーペット・ライドが持続し続けるという意味で、C5エアクロスはやはり、最新にして最良のビッグ・シトロエンなのです。
さらにワインディングに入っても、操舵の速さと舵角に応じてゲインを増すステアリングの調律は、ため息が出るほど見事。まるでピアノでも弾いているような気分で向き合え、操らせてくれるSUVは滅多にありません。
結論として言えることは、SUVだけどフラッグシップの矜持を与えられたC5エアクロスは、単なる先代の進化版や、ラインナップ内の上位互換ではありません。MHEVを繋ぎの技術に終わらせるのではなく、ポジティブに捉えた1台。リッターあたり20km近い実燃費にも、フランス車としての正統ぶりを感じさせます。
この円安にもかかわらず、C5エアクロスの「PLUS」グレードが535万円(消費税込、以下同)から、「MAX」が570万円からという価格も、フラッグシップとして相対的にお買い得なモデルに違いありません。


































