9割以上が違反 なぜか守られない「横断歩道ルール」 歩行者がいてもクルマが止まらない理由とは
ドライバーは一時停止が逆に危険と考えることも
一般社団法人 日本自動車連盟(以下:JAF)は、2017年8月15日から9月14日にかけて、全国の横断歩道を対象に調査を実施しました。
全国合計94か所で、信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両1万251台を対象に調査したところ、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は、わずか8.5%(867台)という結果となっています。なかでも、調査か所の94か所のうち2か所では一時停止率が0%という驚きの結果となっています。
横断歩道に関する調査内容や結果についてJAF広報課の秋本氏に話を伺いました。
──この実態調査をするきっかけは何だったのでしょうか。
2016年6月に「交通マナーに関するアンケート調査」を実施いたしました。『信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い』という設問で「とても思う( 43.7%)」「やや思う(42.5%)」の回答を得ました。その結果を受け、実際に信号機のない横断歩道でそれほど自動車は止まらないのか、実態調査を行った、というのが始まりです。
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さらに、JAFではこの結果を受けて2017年6月に『ドライバーが一時停止しない(できない)と考えられる理由』というアンケートをドライバー側に調査しています。
その結果は、複数回答で
・自車が停止しても対向車が停止せず危ないから(44.9%)
・後続から車がきておらず、自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから(41.1%)
・一時停止した際に後続車から追突されそうになる(追突されたことがある)から(33.5%)
などがあり、アンケート結果のなかには、『一時停止することが危険だから』という驚きの理由がありました。
法律で『歩行者がいる横断歩道の一時停止』が定められているものの、一時停止しない例が多く、しかもドライバーの考えは、安全のために一時停止をしないという判断をしてしまっている現状が浮き彫りになっています。
日本の法律では、『歩行者が優先』です。法律だから守るだけではなく、ゆとりのある安全運転を心掛けることが何よりも重要です。
【了】