ヤマハ、台湾の電動二輪車市場に本格参入か!? 台湾No.1メーカーと協業検討開始
ヤマハは、台湾最大手の電動二輪車メーカーGogoro(ゴゴロ)とEVビジネスの協業に向けた話し合いを開始しました。
生産された電動二輪車の日本への導入はあるのか?
ヤマハ発動機と、Gogoro(ゴゴロ)は、台湾市場におけるEVビジネスでの協業に向けた検討を開始しました。今回の協業は電動二輪車の開発・製造委託およびバッテリー交換システムの共用に関するもので、年内の正式契約を予定しています。
Gogoroの市販車をベースに電動スクーターのデザインをヤマハで行ない、生産をGogoroに委託します。完成車両はヤマハの現地法人であるヤマハモーター台湾の販路を通じて台湾市場で販売し、第1弾モデルの投入は2019年夏頃を計画しています。
今回の協業についてヤマハ発動機広報部にお聞きしました。
――協業の話はいつ頃から検討されていたのですか?
協業の話は、住友商事の紹介で2017年9月に電動二輪車シェア1位のGogoroをご紹介され接触が始まりました。2017年台湾の二輪車市場はおよそ100万台あり、そのうち電動二輪車が占める台数は4.4万台です。Gogoroは、電動二輪車全体の8割にあたる3.4万台を販売しています。
――ヤマハブランドの電動二輪車は、現在台湾で生産し日本に輸入しているE-VINO(イービーノ)があります。今後日本にGogoroで生産された電動二輪車を輸入する予定はありますか?
EV車先進国の台湾での販売のみを考えています。日本への導入は現在考えていません。
――Gogoro以外の電動二輪車生産メーカーとの協業は考えていますか?
他のメーカーとの協業は、今現在は考えていません。
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ヤマハは1966年から台湾二輪車市場に参入し、現在ではヤマハモーター台湾で生産した車種を中心に2017年実績で年間29万9000台(ガソリン車含む)の二輪車を販売しています。開発機能としては、ヤマハモーターR&D台湾を有し、主に台湾向けのスクーター開発を担っています。
ヤマハは、Gogoroとの協業により、台湾市場におけるエンジン車を含めたラインナップ拡充を進め、電動車においてはGogoroが持つバッテリーステーションを活用しユーザーの利便性向上を図ります。
Gogoroは2015年から台湾二輪車市場に参入し、自社製電動スクーターと、簡単にバッテリー交換ができるバッテリーステーションを台湾各地に設置し、ビジネスを展開しています。バッテリーステーションはGogoroエナジーネットワーク社によって現在までに台湾で750か所以上に設置され、2019年には1000か所を超える予定です。
ヤマハ発動機株式会社 執行役員 MC事業本部長 木下拓也は「このたびの台湾におけるGogoroとの協業は、お客さまのモビリティの選択肢を広げるとともに、先進的なバッテリー交換システムを共用することで、新たなモビリティサービスと市場創出にチャレンジできるものと考えています」とコメントしています。
Gogoro Inc. CEO Horace Luke(ホレイス・ルーク)は「Gogoroはエネルギーネットワークインフラを活用したオープンプラットフォーマーとして設立、大都市におけるスマートシティ化への変革を推進しています。今回のヤマハとの協業はその実現に向けた大きな一歩であり大変光栄に感じます」と述べています。
EV市場は、近年世界中で拡大傾向にあります。電動二輪車先進国でもある台湾のメーカーと手を組んだヤマハは、今後電動化された二輪車の車種拡充を行うのでしょうか。
【了】