避難生活などで長期に渡る車中泊に注意! エコノミークラス症候群予防対策とは
地震などの災害で、やむなく愛車での車中泊をしなければならない場合があります。その場合に気をつけなければならないのは、長期に渡る車中泊によって発症するエコノミークラス症候群です。長い避難生活で、そうした症状を発症しないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
車中泊の注意点、エコノミークラス症候群
東日本大震災以来、取り沙汰されているのが震災関連死です。新潟県中越地震では圧死によって亡くなられた方は16名だったのに対して、震災関連死は52名にも上りました。そして、その震災関連死の主因になっているのが「静脈血栓塞栓症」いわゆる『エコノミークラス症候群』と言われています。
エコノミークラス症候群を発症する要因は、必ずしも因果関係がはっきりしているわけではありませんが、新潟大学が統計を取ったところでは、車の中で避難生活をしている人に多いことが分かりました。
エコノミークラス症候群は、狭い場所で長時間体勢を変えず、加えて脱水症状になることなどが要因として知られています。新潟県中越地震の後、新潟大学の研究では車中泊での被災者は避難所の被災者に対して、約1.5倍も多く血栓が見つかっていることが分かりました。
その一方で、同じ車中泊でもミニバンやワンボックス車など広い車内で避難生活をしている人は、避難所生活の人に比べて発症は半数以下に留まっているといいます。つまり車中泊でも、座席がフルフラットにならない軽自動車や普通乗用車などで、エコノミークラス症候群になる危険性が高くなっているのです。
その理由には、いくつかのことが考えられます。まず就寝の姿勢。運転席や助手席を倒して寝た場合、膝から下が下がる姿勢になってしまいます。また寝返りを打つことも非常に難しいため、長い時間同じ体勢で寝ることになります。これが血流を悪くし、エコノミークラス症候群の要因になるのです。
さらに車での避難生活の場合、トイレの問題もあります。近くにトイレがある場合はいいのですが、そうでない場合は排尿を我慢したり、飲水を控えてしまう避難者が多かったと言います。またトイレが近くにあっても汚いから行かない、段差があるからといった利用からと、使いたがらない人もかなり多くいたようです。