新型「ジムニー」人気で本格4WDブーム再燃か なぜか自衛隊車両も市場に出回る理由とは

ミリタリーマニアなら、一度は自分の愛車として軍用車を持ちたいと願っている人も多いはず。実際、日本にも軍用車のオーナーズクラブが存在し、様々なミリタリービークルを所有している人がいます。ただ、軍用車は入手も所有も難しいのでは? 今回は、ビギナー向きとも言える軍用車をご紹介します。

これぞ本格オフロード4WD車! 軍用車が一般ユーザーでも乗れる!?

 新型のスズキ「ジムニー」やメルセデス・ベンツ「Gクラス」の人気で、いまオフロード4WDブーム再燃の兆しがあります。SUVは乗り心地や使い勝手はいいのですが、やはり本格的な性能を求めるならオフロード4WD。へビーデューティなスタイルと優れた悪路走破性は、アウトドア派には憧れの車です。

1/2t トラック 愛称:パジェロ[コガタ](画像:陸上自衛隊)

 そしてオフロード4WDの頂点とも言えるのが、軍用車です。徹底して無駄を削り、機能性のみを追求したデザインには、本物だけが持つ美しさがあります。もちろん、実際の戦闘に使うのは避けたいところですが、車として究極の性能が求められる軍用車には、何か不思議な魅力があることはたしかです。

スズキ ジムニーの詳細を見る

 軍用車と言えば、古い所では「Jeep」。「ウイリス・MB」や「フォード・GPW」など、その後のすべての小型軍用車、オフロード4WDに影響を与えた希代の名車は、日本にも多くのファンがいて、実際に所有している人も少なくありません。最近の車両で言えば、米軍が現役で使用している「ハンヴィー」(ハマーは民生版)に乗っている人もたまに見かけます。

 しかし、こうした車両は入手が難しく、またその後のメインテナンスなども専門店やコレクターのネットワークを頼らねばならないのが実情です。では日本の自衛隊の車両はどうなのでしょうか。

 日本の自衛隊を象徴する1台と言えば、「73式小型トラック」、いわゆる『自衛隊パジェロ』と言われる軍用車です。現在の73式小型トラックは1996年に登場した2代目で、まさに2代目「パジェロ」をベースに造られています。初代は三菱「ジープ」をベースにした車両だったので快適性など無縁でしたが、2代目はフロントサスペンションに独立懸架式のダブルウイッシュボーンを採用し、エアコンまで付いています。また駆動系には「パジェロ」と同じ『スーパーセレクト4WD』を使い、フルタイム4WDモードを備えているので悪路や雪道でのイージードライブが可能です。

 この「73式小型トラック」が中古車市場に出回っているというので、調べてみました。すると、たしかに現在すぐに買える車両がかなりあることがわかりました。価格は200万円台後半から400万円。レアな車両の割には、意外とリーズナブルです。

 しかし、ここで疑問が。自衛隊が車両を払い下げる場合は、シャシを切断して、車両としては使えない状態にするのが原則です。まさしく鉄屑扱いです。どうしてそんな車両が中古市場に出回っているのでしょうか。

73式小型トラックのベース2代目パジェロ等を写真でチェック(3枚)

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