新型「ジムニー」人気で本格4WDブーム再燃か なぜか自衛隊車両も市場に出回る理由とは
自衛隊としては問題視していないのか
答えは「73式小型トラック」のベース車両にありました。ある販売業者に問い合わせたところ、「切断されたラダーフレームに代わって、2代目『パジェロ』のシャシを代用する」とのことでした。エンジンや駆動系は基本的に「73式小型トラック」のものを使いますが、場合によっては「パジェロ」のものとすべて入れ替える場合もあるようです。
ちなみにこの車両は1ナンバーか3ナンバーの取得が可能で、公道での使用が可能です。1ナンバーの場合は2人乗りで1年おきの車検、3ナンバーは6人乗りで2年おきの車検となっています。
この車両、元は廃棄する予定だったもの。法律的に問題はないのでしょうか。防衛省陸幕広報部に聞いてみると、「中古車市場で販売されている車両は、元の車両の部品を使ったいわゆるレプリカと認識しております。民間のナンバーを取得して、道路運送法上で問題がなければ、特に自衛隊として問題視する部分はありません」とのこと。つまり堂々と自衛隊の車両に乗れてしまうわけです。
ちなみに、自衛隊を象徴するもう1台の車両と言えば「高機動車」ですが、こちらも中古車市場に出ていることがあります。こちらはトヨタの「メガクルーザー」と基本的なシャシは一緒ですが、「メガクルーザー」自体レアなモデルのため、使えるフレームがありません。
そのため、海外でラダーフレームが作り直され、左ハンドル化して民間で使われていた車両を逆輸入。ただし、フレームナンバーがないため、日本では残念ながら登録できないそうです。私有地内で使うのに購入したユーザーもいるようですが、一般人には敷居が高いモデルのようです。
インターネットで探せば、「73式小型トラック」の中古車はすぐに探すことができるはずです。部品もほとんどが2代目「パジェロ」と共用ということなので、三菱系の販売店から入手することができるようです。ただしNOx規制法の対象地域では登録できないという条件もあります。それさえクリアできれば、あなたも夢の軍用車オーナーになることができます。
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Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。