ホンダ 新型ステップワゴン ハイブリッドの実燃費を徹底チェック! 峠道やクルコン利用時もテスト
峠道や高速ACC使用時の実燃費は?
峠道区間は御殿場インターから箱根を抜けて小田原に抜ける、いつもと同じルートです。距離は43.9km。御殿場からはしばらく急な上り坂が続き、そこから箱根を抜けて「箱根ターンパイク」を小田原へ下りました。箱根の峠を登り切った、ルート上で最も標高の高い場所を通過する際の燃費値は10.3km/L。燃費数値としては優れた数字ではないと感じるかもしれませんが、標高差約500mある険しい峠道を登ってきたと思えば悪くないといえるでしょう。
そこから標高にして約1000mを下る間に燃費計の数値はぐんぐん上昇し、峠区間を終わる際はトータル14.3km/Lとなりました。
小田原厚木道路の小田原西ICから東名高速道路の東京インターチェンジまで、クルーズコントロールを使いながら制限速度を守って62.2km走った復路の高速道路の燃費は18.4km/Lでした。このルートは高低差がほとんどなく、前半の小田原厚木道路は制限速度が70km/h。その速度だと燃費低下の原因となる空気抵抗の燃費への影響が比較的少なく、燃費値は最高で22.0km/Lまで上昇しました。
後半の東名高速道路は制限速度が100km/hまで上がるので空気抵抗が増えて燃費は若干落ちたものの、それでもトータルで18.4km/Lを記録。「重い車両重量」と「大きな空気抵抗」という燃費にとって2つの悪条件があるミニバンとしては優秀な数値といえるでしょう。
参考までに、今回の燃費計測区間に加えて、東京インターから先も首都高速道路を走り続けて222.4km走ったトータル燃費は16.5km/Lでした。このとき、首都高速道路はほぼ渋滞だったこともお伝えしておきましょう。
カタログに記載されているステップワゴンハイブリッドの燃費値はJC08モードで25.0km/L、それよりも実走行に近い計測方法となるWLTC計測で20.0km/L。今回の計測値はトータルで考えるとその数値よりも2割弱低いですが、WLTCの市街地モードが18.8km/Lに対して市街地走行の燃費が16.3km/L、WLTCの高速道路モードが19.5km/Lに対して高低差が少なかった復路での高速道路燃費が18.4km/Lだったと考えると、WLTC計測値との乖離は少ないと判断できます。
ステップワゴンハイブリッドで燃費を伸ばすためには、一般道ではいかに電気を上手に活用するかがポイントといえるでしょう。渋滞中など低速かつ発進と停止を繰り返す状況では、エンジンを止める「EV」モードを最大限に活用して燃料消費を抑え、またできるだけアクセルオフの時間を長めにするのがコツです。
高速走行では空気抵抗を減らすために、速度を控えめにして左車線をゆっくり走るのもいいでしょう。一定速度で走る大型トラックなどの後ろで、標準装備されている追従型クルーズコントロール(ACC)を活用して走れば簡単に燃費が良好になる上に、運転の疲労も最小限に抑えられるのでオススメです。
【了】
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。