スポーツカーはどうなる? クルマの「電動化」へ世界中のメーカーが急転換 その背景とは?
止まらない電動化の流れ、今後のメーカーの動向は?
――「電動化」の流れはいつまで続くのでしょうか?
長期的に見て、「電動化」の流れは止まらないでしょう。これから出てくるスポーツカーなど趣味性の高いクルマや、従来のエンジンを持ったものも一部残る可能性はありますが、ほとんどのクルマは電動化するでしょう。
ただ、注意しなければならないのが「電動化」の意味することで、「2050年までにすべての日本車を電動化する」というのは、ガソリン・ディーゼルエンジンだけで動くクルマを無くすという意味で、すべてを電気自動車(EV)にするわけではありません。
一方で中国が2019年から施行する新エネルギー車規制では、一定量のEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)を販売しないとその自動車メーカーにペナルティが与えられますが、ハイブリッド車は対象外です。つまり、中国ではハイブリッド車は電動化にカウントされないのです。
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温室効果ガス削減だけを考えれば、EVやFCVなど排気ガスの出ないゼロエミッション車だけを推進したいところですが、自動車メーカーにとってはデメリットも大きく現実的ではありません。
とはいえ、自動車産業は国の政策に大きく左右されますから、政府と同じ方向を向いていることをアピールすることも必要です。近年、「電動化」が叫ばれる背景には、そうしたアピールも多分に含まれているのは間違いないでしょう。
単なるアピールで終わるのか、それとも実際に環境問題改善に取り組んでいくのか、各メーカーの動向に注目です。
【了】
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