“バスタブ”から生まれた? 4代目ロードスター(ND)開発責任者が語るデザイン思想とは

マツダの4代目「ロードスター(ND型)」と「ロードスターRF」。日本のみならず世界中でさまざまな賞に輝いている現代の名車です。開発責任者の中山氏に“デザインにおけるポイント”をうかがい、速筆でデッサンまでしていただきました。

このクルマを走らせれば、きっとだれもが、しあわせになる

 マツダは、2015年5月に4代目となるロードスター(ND型)を発売しました。2012年にフィアットグループとの協業により、新型ロードスターのアーキテクチャを用いて、アルファロメオ向けオープン2シータースポーツカーを開発するとの発表もあり、大きな注目を集めたなかでの登場です。

ND型ロードスター&RF 開発責任者が語るデザイン思想とは

 正式発売に先駆け、2015年3月には日本国内でも「先行商談予約」の受付を開始。それまでとは違った手法で多くの受注を獲得して、スポーツカー好きが待ち望んでいたクルマだといえます。

 マツダのウェブサイトには“このクルマを走らせれば、きっとだれもがしあわせになる”というキャッチコピーが掲載されました。

 これは、初代「ロードスター」(NA型)デビュー時のカタログ・コピー“だれもが、しあわせになる”から継承されているものであり、“新しいロードスターは再び原点に立ち戻って、人とクルマの間の感覚を徹底的に磨きあげました”とも記されています。

 それを具現化したのが『SKYACTIV TECHNOLOGY』と『魂動(こどう)』と呼ばれるデザインテーマです。『バスタブ』をイメージした“人が中心となる”コンパクトなキャビンスペースと3代目「ロードスター(NC型)」に比べ短くなった全長で、低くワイドな安定感を感じられる台形のフォルムは『一目観たらスポーツカーと判る』です。

 車体全体の雰囲気も「ロングノーズ・ショートデッキ」という古典的なスポーツカーのフォルムを現代風にアレンジし、美しさと力強さを表現しています。

 ボディは、各部にアルミや超高張力鋼板をふんだんに使い、3代目の車両重量1090kgから990kg(ベースグレード)へ大幅な軽量化を図り、初代「ロードスター」に近い軽快なドライブフィールを持つ「2シーターオープン・ライトウェイトスポーツカー」に原点回帰しました。

 歴代ロードスターの伝統となっている『フロントミッドシップエンジン』により前後重量配分を50:50として、高い旋回性能と安定感も実現しています。

 オープンカーとして幌の開閉方式も改良され、腕力の弱い人でも運転席に着座した状態で簡単に開閉でき、気軽にオープンエア・モータリングが楽しめるクルマとなっています。

 2015年11月には『2015~2016 日本自動車殿堂カーオブザイヤー』、翌月には『2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー』を受賞。2016年3月には『ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー』と『ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー』を同時受賞するなど、日本のみならず世界中で4代目「ロードスター」は高く評価されました。

4代目「ロードスター」は誰もが一瞬でときめくデザイン

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