知らないと損?イマなら「普通免許で125ccも」OKに? なぜ車の免許でバイクに乗れる?「おまけ」扱いの謎と“新ルール”
普通免許を取ると「おまけ」で付いてくる原付免許。当たり前すぎて意識しませんが、なぜ教習なしで乗れるのか?実はその背景には、戦後の「自転車の延長」という意外な歴史がありました。さらに2025年4月からは、60年ぶりに原付の定義が激変。125ccバイクも対象となる「新常識」と注意点を徹底解説します。
なぜ普通免許に原付免許が「おまけ」でついてくるのか?2025年から変わった新常識とは
「普通自動車免許を取ったら、原付にも乗れるようになる」。
クルマの免許を持っている人なら、周知の事実だと思います。しかし冷静に考えてみると、これは不思議なことではないでしょうか。
クルマを運転するための免許を取るためにお金と時間をかけて教習所に通ったのに、なぜバイク(原付)にも乗れるようになるのでしょうか。
しかも、原付免許を単独で取得しようとすると学科試験を受け、技能講習を受け、それなりに手間がかかります。
それが普通自動車免許には、自動で付帯されるのです。この謎を掘り下げていくと、日本の免許制度の歴史に埋もれた意外な事実が見えてきます。
そもそも「普通免許=原付OK」は法律でどう定められているのか、まずは現行の法律を確認しておきましょう。
道路交通法第84条には、各免許で運転できる車両の種類が規定されており、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許、普通二輪免許のいずれかの第一種免許を受けている人は、原動機付自転車(原付)を運転することができると定められています。
つまり、「普通免許だから原付も乗れる」というのは特例でも例外でもなく、立派に道路交通法に書かれたルールです。
普通免許で乗れる「原付」とは、道路交通法上の第一種原動機付自転車のこと。
これが重要なポイントで、いわゆる「原付二種(51~125cc)」は、普通免許では運転できません。
ここで一つ、驚くべき事実をお伝えしましょう。
現在の制度では「普通免許=原付のみ」ですが、かつては普通自動車免許を取得すると、250ccも400ccもそれ以上の大型バイクにも乗れた時代がありました。
戦後の1947年に「道路交通取締法」が公布されましたが、当初は四輪の免許を持てばバイクにも乗れる、という大らかな時代。
その後、交通事情の変化やバイクの高性能化に伴い、1965年の法改正でようやく「四輪免許に付帯できる二輪は原付(50cc以下)のみ」に絞られたのです。
つまり1965年以前に四輪免許を取得した人は、更新さえ続けていれば大型バイクまで乗れる免許を持ち続けることができたのです。
現在80歳前後の人の中には、「ナナハン(750cc)に乗ったことはないけど、免許証には大型二輪の資格がある」という方がいるのはそのため。
この事実は、現在の制度がいかに段階的に整備されてきたかを物語っています。

では、なぜ普通自動車免許に原付が付帯されるようになったのでしょうか。
その答えを探るには、原付という乗り物の「出自」を知る必要があります。
原動機付自転車はもともと、名前のとおり「自転車にエンジンを付けたもの」でした。
戦後の復興期、ガソリンを節約しながら移動する庶民の足として、自転車のペダルを補助するような小型エンジンがブームになりました。ホンダのスーパーカブに代表されるモペットがその象徴です。
この「自転車の延長」という発想が、免許制度にも反映されたのです。その後1953年に原動機付自転車の区分が設けられましたが、当初は「許可制」。
つまり届け出さえすれば誰でも乗れる仕組みで、試験も技能講習もありません。
自転車に乗るのに免許がいらないように、原付も「自転車プラスアルファ」の乗り物として、実質的にフリーパスだったのです。
その後、交通事故の増加を受けて1960年に道路交通法が施行され、原付も正式に「免許制」に移行。
このとき「原付は簡易な乗り物であるから、より上位の免許(普通免許など)を持っている人はそのまま乗れる」という考え方が採用されたとされています。
これが「普通免許=原付OK」の制度的な起源。なお、法律上の明確な付帯理由は公式文書に記されているわけではなく、「普通車の運転ほど高度な技術はいらないことから、普通免許に付属するようになったのでは」という説が有力で、制度設計の「なんとなくの合理性」が、そのまま現代まで続いてきたとも言えます。
とはいえ普通免許に原付が付帯されているのは確かにお得ですが、乗る前にしっかり押さえておかなければならない重要な注意点があります。


































