豪雨被害多発で問合せ増加…保険で自然災害も補償できる? 被災車へ自治体などで助成や補助はあるのか
近年頻発している豪雨による水害。もしも愛車が水没してしまった場合、保険会社の対応はどうなっているのでしょうか。損保ジャパン日本興亜広報部にうかがってみました。
自然災害時にも補償が受けられる保険とは?
自動車には購入時や車検を通す際に加入が義務付けられている「自賠責保険」の他、ユーザー自身の意思で加入する「任意保険」というものが存在しています。
その任意保険には人身傷害や、対物だけでなく、事故などで破損したクルマの修理にも対応できる「車両保険」を追加することができます。一般的には車両保険で補償されるのは、事故や盗難の場合のみと思われている方が多いと思いますが、事故以外、例えば自然災害の場合は補償されるのでしょうか?
車両保険では、万が一の自然災害時にも規定に基づいた補償を受けることが可能です。しかし、すべての自然災害で補償が受けられるわけではないようです。また、被災状況によって補償の範囲も変動する場合もあります。
そこで、過去数か月間で浸水時の補償について、問い合せが増加傾向にあるという「損害保険ジャパン日本興亜株式会社」(損保ジャパン日本興亜)広報部に話をうかがいました。
――豪雨で車が浸水した場合、補償の対象になりますか?
前提として車両保険への加入がお支払条件となっています。支払い保険金の額(支払い基準)は、車両の浸水状態や水質、冠水時間および外的損傷の有無などを総合的に確認したうえで、全損(修理できない場合または修理費が車両保険金額以上の状態)となる場合は車両保険金額(注1)をお支払いし、分損(全損以外)の場合は、損傷状況によって個別に損害額を算出し、お支払します。
(注1)車両保険金額とは、ご契約時に設定する補償の限度額です(主に車両の時価額で設定します)。
――どのような補償やプランに加入すれば水害が補償されますか?
自動車保険に「車両保険」をセットすることで契約自動車の損害は基本的に補償されます。(注2)
(注2)「車両保険(一般条件)」であれば基本的に補償されますが、車両保険(車対車+限定危険〈補償の範囲が限定される〉)の場合は事故の内容によっては補償されないケースがあります。
【補償されない事故例】自動車を運転していて、豪雨で前が見えなくて電柱にぶつかったなど。
――地震による津波によって車が流されてしまった場合、保険の対象になりますか?
車両保険に加入いただいていても、補償の対象になりません。別途、地震・噴火または地震を原因とした津波を補償する特約に加入することで補償が受けられます。
(特約の販売状況や、補償内容は保険会社によって異なります)