「乗っちゃダメなの?」 運転代行の“後ろのクルマ”に乗ると罰金“300万円”の可能性も!? 意外と知らない「白タク行為」と絶対NGな理由
飲酒後に利用される「運転代行」において、実は利用者がやってしまいがちな「ある行為」が法律違反になることをご存知でしょうか。SNSでは代行業者のクルマへの同乗を断られ困惑する声もあがっていますが、これには厳しい罰則が伴う重大な理由があります。意外と知らない代行利用時のルールと注意点を解説します。
代行業者が摘発される事例が発生! 「客の要望は断れない」という背景も
飲酒後には運転代行業者を利用する人も少なくありませんが、その際、代行業者のクルマに客を乗せる行為は禁止されています。では、一体どのような違反に当たるのでしょうか。
当然ながら、お酒を飲んだ後にクルマを運転することは道路交通法で禁止されています。そのため飲み会の際には公共交通機関を利用するか、運転代行業者に自分のクルマを運転してもらって帰宅するという人もいるでしょう。
この自動車運転代行業とは、主に飲酒した客に代わって従業員が客のクルマを運転し、客とクルマを自宅まで送り届けるサービスのことです。
一般的には代行業者が2人1組で活動し、1人は客のクルマに客を乗せて運転、もう1人は業務を終えた後に2人で営業所に戻るための随伴用自動車を運転します。
特に電車やバスなどの公共交通機関が少ない地域の場合、行きは自分のクルマを運転し、帰りに代行業者を利用するケースが多いかもしれません。その際に注意したいのは、客が随伴用自動車に乗ろうとする行為です。
インターネット上では「友人3人と代行で帰宅しようとした際、友人のクルマの定員が4人であり、全員乗ると定員外乗車になってしまうことに気づいた。それで代行業者のクルマに乗り込もうとしたら断られた」という趣旨の投稿がされています。

意外と知られていませんが、代行業者が随伴用自動車に客を乗せると道路運送法違反に当たります。これは客を随伴用自動車で送迎する行為が、国土交通大臣の許可を得ずに白ナンバーのクルマ(自家用車)を使って有償で客を運送する「白タク行為」とみなされるためです。
簡単に言うと、代行業者はあくまで客のクルマを運転する許可を得ているだけで、客を運送するタクシーやバスのような事業許可を得ていないため、随伴用自動車に客を乗せることができないというわけです。
また道路運送法では、随伴用自動車に客を乗せて飲食店などからクルマがある駐車場まで輸送する行為(いわゆるAB間輸送)を禁止しており、たとえ少しの距離であっても、無償であっても代行業者のクルマに客を乗せることはできません。
仮に代行業者の従業員がこれに違反した場合、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方を科される可能性があります。
実際のところ2025年12月には、岡山市内で白タク行為をおこなったとして、岡山市の自動車運転代行業者および従業員2人が道路運送法違反(有償運送)の疑いで書類送検されています。
これは2025年7月、従業員2人が代行を利用した男性客を随伴用自動車に乗せ、岡山市内の飲食店から男性客のクルマがある駐車場まで約2.4kmの距離を運送し、運賃として800円を受け取ったものです。白タク行為を警戒していた警察官が2人の行為を確認し、検挙に至りました。
さらに2024年には鹿児島県鹿屋市の運転代行業者が、随伴用自動車に客を乗せる白タク行為で摘発されたことにより自動車運転代行業の認定を取り消され、廃業になったと報じられています。
その裏には、立場上客からの要望を断りにくかったり、客から「よそでは乗せてくれた」などと文句を言われたりするなどの背景もあったとみられています。
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SNS上においては運転代行業を営む人から「運転代行の随伴車に乗せてくれは、未成年者に酒タバコを売ってくれと言ってるのと一緒」「法律で決まっているのに乗せてくれと未だに言われるのは、こっそり乗せてる代行がまだあるってことだろうなぁ」などの声があがっています。
加えて、「白タク行為を要求した客側も罰せられる法律を作ってほしい」という意見も聞かれました。
代行業者が客の要望を断ることは大前提として、随伴用自動車に客を乗せることが違法であるという認識を客側も持つことが重要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。















