新車38万円! “免許不要”で運転できる「めちゃ軽~い」クルマに大注目! たった“400kg”の超軽量ボディに「350cc」2気筒エンジン搭載! 全長2.7mの“2人乗りマシン”「フライングフェザー」がスゴイ!
かつて非常にシンプルな構造を採用し、“免許不要”で運転できるクルマが存在しました。一体どのようなクルマだったのでしょうか。
新車38万円! “免許不要”で運転できるクルマ!
石川県小松市にある日本最大級の自動車博物館「日本自動車博物館」。
レンガ造りの重厚な建物の中には、国内外の貴重な名車が所狭しと並んでいますが、その一角に現代のモビリティに通じるような極めてユニークな一台が展示されています。

そのクルマの名は「フライングフェザー」。
1955年(昭和30年)、老舗織物メーカーの子会社であった「住江製作所」によって製造された、黎明期の軽自動車です。
開発を手掛けたのは、後に「フジキャビン」などの超小型車も生み出すことになる天才設計者、富谷龍一氏。
「最も経済的なクルマを」という思想のもと、徹底した合理主義とミニマリズムを貫いて設計されました。
ボディサイズは全長2767mm×全幅1296mm×全高1300mm。
これは、後に国民車として大ヒットするスバル「360」の“全長2995mm”よりもさらにひと回り小さく、現代のマイクロカーに近いサイズ感です。
外観は、まるで馬車から馬を取り払ったかのような華奢で愛らしいデザイン。
コスト削減のためルーフには鉄板ではなく布製の幌が用いられ、ボディパネルも最小限の構成となっています。
タイヤには、オートバイ用の19インチワイヤースポークリムを採用し、その細さが独特のレトロ感を醸し出しています。
そして驚くべきはその軽さです。車体重量はわずか400kg~425kg程度と、現代の大型バイク並み。
車名の「フライングフェザー(飛ぶ羽根)」は、まさにこの軽やかさを象徴しています。
パワーユニットには、350ccの空冷V型2気筒OHVエンジンをリアに搭載し、3速MTを組み合わせて後輪を駆動(RR)。
最高出力は12.5馬力と控えめですが、軽量な車体には十分な動力性能でした。
インテリアも「質素」の一言に尽きます。鉄板むき出しのインパネに、ステアリングと必要最低限の計器類があるだけ。
シートはパイプフレームにクッションを載せた簡易な構造ですが、今見るとその潔さが逆にモダンでオシャレにすら映ります。
そして、このクルマの最大の特徴とも言えるのが、その割り切ったメカニズムです。
なんと前輪にはブレーキが装備されておらず、後輪のみで制動を行う仕組みでした。
これは当時の法規制において、この規格であれば「運転免許が不要」であったことや、コストダウンを極限まで追求した結果です。
このようなフライングフェザーの当時の新車価格は、38万円。
当時の、大卒初任給が1万円程度の時代においてはそれでも高価でしたが、自動車を庶民の手に届くものにしようという執念が感じられます。
しかし、あまりにもストイックすぎる合理主義と簡素な装備は、当時の市場には受け入れられませんでした。
翌1956年には生産が中止され、総生産台数はわずか200台程度にとどまったと言われています。
商業的には成功しなかったフライングフェザーですが、四輪独立懸架を採用するなど乗り心地への配慮も忘れておらず、その技術的な挑戦は決して無駄ではありませんでした。
現代において「脱炭素」や「パーソナルモビリティ」が叫ばれる中、70年も前にこれほど明確なコンセプトで「足るを知る」クルマ作りが行われていたことには、驚きと称賛を禁じ得ません。
Writer: くるまのニュース編集部
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