スカイラインの心臓が移植された3代目「シルビア」登場! 日本初のハイテク装備も
3代目「シルビア」は、スカイライン譲りの高性能エンジンや、日本初のドライブコンピューターを搭載。さらにモータースポーツへの参戦など、スペシャルティカーとしてのイメージをさらに高めていきました。
日本車初となるハイテク装備も搭載
3代目「シルビア(S110型)」は、1979年3月に登場。シリーズ初となる「姉妹車」の誕生や、2代目「シルビア(S10型)」で実現しなかった、モータースポーツへの参戦など、シルビアの位置付けに大きな変化が見られました。
ちなみに、この年は第2次オイルショックが起こり、原油価格が高騰。後のクルマ開発にも大きな影響を与えた年でもあります。
エクステリアのデザインは先代とは大きく変わり、直線を基調とした、より精悍なイメージに。ただし、サイドのデザインは「くさび型」を基調とした『ウェッジシェイプ』が継承されました。
ボディ形状は、「ハードトップ」と「ハッチバック」の2タイプ。ハードトップは、今なら「クーペ」と呼ばれるボディ形状で、「ハッチバック」は大きなリアゲートを設けたスタイルとなっています。
当時流行した角型4灯ヘッドライトもいち早く取り入れ、若者向けのスペシャルティカーであることを強くアピール。サニーとスカイラインの間に位置するスポーティカーとして人気を博すことになります。
また、スペシャルティカーにふさわしく当時としては先進的な装備も充実しています。特に注目なのは、日本初となる「ドライブコンピューター」をオプションで装備できたことです。
ただし、コンピューターといっても、ストップウォッチや、トリップメーター、電卓など、いまではコンピューターと呼べないものですが。ほかにもヘッドライト・ウォッシャーや、空気清浄機、ビルトイン型のハイエンドオーディオもオプションで選ぶことができました。
シルビアでは初の試みだったのが、姉妹車「ガゼール」をラインナップしたことです。当時は販売チャネルによって、同じクルマを違う名前で売ることは珍しくありませんでした。日産だと「セドリック」と「グロリア」の関係が姉妹車です。
シルビアとガゼールの差は大きなものではなく、外見ではフロントグリルやテールライトの形状が異なる程度。内装もガゼールのほうが、わずかに上級車種に通じる変更を加えたくらいの違いでした。