安くても新車は売れない? ニーズの多様化、ミニバンは7割がエアロ系

コンパクトカーや軽自動車で選ばれているグレードは?

 ホンダのベーシックなコンパクトカーである「フィット」の売れ筋も聞いてみました。「フィット」はガソリン車が7グレード設定で消費税込み142万8840円から205万920円、HV車が6グレード設定で169万9920円から225万7200円となっています。

 このうち最も売れているのは、「HYBRID・L Honda SENSING」207万9000円で、割合は23%強。次いでガソリン車の「13G・L Honda SENSING」165万3480円で、割合はほぼ同数とのこと。いずれも、HV車、ガソリン車のなかでそれぞれ中間に位置するグレードです。

 軽自動車では、もっと価格に厳しい人も多いはず……その仮定のもと、こんどはダイハツに全体的な売上の傾向を聞きました。

 たとえば、ダイハツの軽乗用車で最も安い「ミラ イース」は6グレード設定で、消費税込み84万2400円~133万9200円(北海道以外での2WD車価格)です。ダイハツによると、もちろん価格重視のユーザーもいるものの、「よく売れるのは(6種類のうち)中間くらいのグレードです」とのこと。「タント」や「ムーブ キャンバス」などベース価格が高めの車種では、むしろ上級グレードのほうが売れるといいます。

ダイハツ「ムーヴ キャンバス」。上が最安グレード「L」、下が最高価グレード「X “リミテッド メイクアップSA III」(画像:ダイハツ)

 グレードの差はおもに内外装や機能、装備のちがいに表れます。たとえば、シートヒーターはいちばん上のグレードにしかついていなかったり、4グレードあった場合に上の2グレードはエアコンがボタン式のオート、下の2グレードはダイヤル式のマニュアルだったりするといった違いがあります。

「ここ数年、軽自動車は価格の幅が広がっていますが、これはお客様ニーズの多様化が反映されています。たとえば、登録車に乗っていた方が軽自動車へダウンサイジングする際、軽になっても質を落としたくないという方が、上級グレードを選ぶといったケースがあります」(ダイハツ)

 さらに大きな違いとしてダイハツは、ほとんどの車種で「いちばん下のグレードは『スマートアシスト』がついていない」ことを挙げます。「スマートアシスト」とは、衝突回避支援ブレーキや誤発進抑制制御機能など、さまざまな先進安全装備のパッケージです。これについては乗用車はもちろんのこと、商用車でもいまや半数以上の人がその装備のあるタイプを選んでいるそうです。

 ちなみに、ホンダ「ステップワゴン」でも同様の先進安全装備「Honda SENSING」を全グレードで標準装備していますが、これを装備しない「レスオプション」車も用意されており、もっと安く買うとも可能だといいます。ただし、すべてのグレードで「レスオプション」車が買えるわけではないということと、他メーカー含め「レスオプション」車を用意していない車種もあるのでご注意ください。

【了】

さまざまな車種の「グレードの違い」を写真でチェック(6枚)

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