安くても新車は売れない? ニーズの多様化、ミニバンは7割がエアロ系

クルマにはさまざまなグレードが設定されており、同じ車種のなかで100万円前後の差がつくこともあります。売れ筋のグレードは車種により異なりますが、必ずしも「安い」ものが選ばれるわけではないようです。

ミニバンユーザーは見た目を重視?

 新車にはさまざまなグレードが設定されていて、それに応じて金額も大きく異なります。どの車種も「売れ筋」と呼ばれるグレードは確実に存在していますが、必ずしも安いグレードが売れているわけではないようです。

ホンダ「ステップワゴン」で最も手頃な値段のモデル(上)と、いちばんの売れ筋「SPADA・Honda SENSING」とでは外観が大きく異なる(画像:ホンダ)

 どのようなグレードが売れ筋かは、もちろん車種によって異なるでしょう。高級車であればふんだんにお金をかけられる人もいるかもしれません。一方、ミニバンなどファミリー向けのクルマや、ベーシックなコンパクトカー、軽自動車は、購入予算も比較的厳しくなってくるのでは。そのような仮定のもと、まずホンダに「ステップワゴン」の売れ筋を聞きまとめてみました。

 「ステップワゴン」は、ガソリン車は6グレード設定で245万5920円から341万9280円、ハイブリッド(以下HV)車は3グレード設定で330万480円から355万9680円となっています(いずれもFF車における消費税込みのメーカー希望小売価格)。合計9グレードのうち、売れ筋の上位3グレードは次のとおり。カッコ内は全体に占める売上の割合です。

1位:「SPADA・Honda SENSING」285万2280円(約28%)
2位:「SPADA HYBRID G・EX Honda SENSING」355万9680円(約23%)
3位:「SPADA・Cool Spirit Honda SENSING」305万1000円(約21%)

 1位と3位は、ガソリン車6グレードのうちそれぞれ4番目、5番目に高いグレード、2位はHV車のなかで最上級のグレードです。これら、比較的上位にある3つのグレードで全体の7割以上を占めています。

「このクラスのミニバンは、他社さんの車種も含め、様々なエアロパーツを装着したいわゆる『エアロ系』が7割を占めます。『SPADA・Honda SENSING』はそのなかで最もお手頃な価格のもの。『SPADA・Cool Spirit Honda SENSING』はそこからさらにグリルの色を変えたり、タイヤをインチアップしたりしてスタイリッシュにしたものになります」(ホンダ)

 2位の「SPADA HYBRID G・EX Honda SENSING」については、このグレードだけに、走行中に発生する車体のゆがみや微振動を抑える「パフォーマンスダンパー」が採用されているのが特徴。乗り心地の上質さから選ばれているのではないかということです。

さまざまな車種の「グレードの違い」を写真でチェック(6枚)

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