救急車の出動件数が過去最多に!「救急車呼ぶ必要ある?」 搬送の半数が“軽症者”の現状! 中には「驚きの理由」で出動要請する人も
総務省消防庁は先日、2024年中の救急・救助の状況について公表しました。2024年における救急車の出動件数と搬送人員は過去最多、「軽症者」が約半数を占める結果となり、救急車の適正利用が求められています。
「救急車は無料だから」「早く診てもらえそう」…そんな理由はNGです!
総務省消防庁は2026年1月20日、全国の救急業務や救助業務の実施状況などを取りまとめた資料「令和7年版 救急・救助の現況」を公表しました。
同資料によると、2024年中の救急出動件数(消防防災ヘリコプターによる出動を含む)は772万740件(前年比+7万9753件)、搬送人員は677万1193人(前年比+12万7814人)でした。
さらに、そのうち救急車による救急出動件数は771万8380件(前年比+7万9822件)、搬送人員は676万9172人(前年比+12万7752人)であり、救急出動件数、搬送人員ともに集計を開始した1963年以降、最多を記録しています。
これは単純計算ではあるものの、全国で1日あたり2万1000件以上、約4.1秒に1回の割合で救急隊の出動があることになり、その出動の多さがうかがえます。
また救急車による救急出動件数の内訳を事故種別ごとにみると、「急病」が519万5867件で最も多く、全体の67.3%を占めました。次いで「一般負傷」の122万4778件、患者を別の医療機関へ移送する「転院搬送」が58万1928件、「交通事故」が39万3941件などと続きます。
そして搬送人員の内訳を傷病の程度別にみたとき、「軽症(外来診療)」が317万1350人で最も多く、全体の46.8%を占めます。2番目に多いのは「中等症(入院診療)」の301万7912人で、その次に「重症(長期入院)」の49万1471人という結果でした。

軽症(外来診療)は入院加療を必要としない症状であり、真に救急車を必要とする重症患者が利用できるよう、原則として救急車の要請を控えるべきだといわれています。
もちろん、軽症者の中には骨折などにより自分で病院に行けなかった人が救急車で病院に行き、入院の必要がないと判断されるケースもあり、すべてが不要不急の救急要請というわけではありません。
しかし「救急車は無料で、タクシーはお金がかかる」「救急車の方が早く診てもらえそう」などの理由から、風邪や打撲、筋肉痛といった軽い症状で救急車を呼ぶケースも多くみられます。
緊急性のない救急要請は他の人の命を脅かす可能性があることを理解し、一人一人が救急車の適正な利用を心がけましょう。
なお救急車を呼ぶべき緊急性の高い症状は消防庁や内閣府などのホームページに掲載されており、意識障害やけいれん、大量の出血をともなうケガ、広範囲のやけど、突然の激痛、顔・手足のしびれなどの症状が挙げられています。
救急車を呼ぶべきか判断に迷ったり、119番通報がためらわれたりする場合は、消防庁がウェブ版とスマートフォン版で提供する全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」を活用すると良いでしょう。
このアプリでは、当てはまる症状を画面上で選択していくと緊急度の目安が分かるほか、緊急度が高いと判定された場合はスマートフォン版のアプリからそのまま119番通報ができます。
また、全国37の地域で実施されている救急安心センター事業(♯7119)でも、救急車を呼ぶべきか、病院に行った方が良いかなどを電話で相談することが可能です。
万が一に備え、自分の居住する地域が♯7119に対応しているかどうかを事前に確認しておくことも大切です。
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不要不急な救急要請のほか、消防には「今やっている病院を教えてほしい」「症状の相談をしたい」「電気が消えなくなったので何とかしてほしい」など、緊急性の低い通報や消防と関係のない通報が寄せられることもあります。
緊急通報の妨げにならないよう、相談や問い合わせは119番ではなく別の窓口・サービスを利用するという意識を持つことが重要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。










