軽バンで月販1万台! ホンダ 新型「Nバン」大ヒットの理由とは
ホンダの新型軽バン「N-VAN(エヌバン)」は、発売後年間販売計画台数(3000台)のおよそ3倍となる1万台を受注している注目の軽バンです。「N-VAN(エヌバン)」に設定されている3つのモデルの試乗を通し印象をお伝えします。
シビック タイプRといつの間にか同じ設計になったシート
長らく「アクティバン」が担ってきたホンダの軽バンが刷新され、「N-VAN(エヌバン)」として登場しました。軽乗用車の「N-BOX」をベースに持ち、駆動方式もエンジンも生まれ変わった新型がどんな走りをもたらすのか? 「自然吸気エンジン+CVT」「自然吸気エンジン+6MT」「ターボエンジン+CVT」という3モデルの試乗を通し、その印象をお届けしましょう。
N-VANで語るべきポイントはいくつもありますが、走りに直接影響する部分で特徴的なのがFF(フロントエンジンの前輪駆動)であることです。というのも、先代のアクティバンはMR(ミッドシップの後輪駆動)、軽バンの2大巨頭とも呼べるダイハツ・ハイゼットとスズキ・エブリィはFR(フロントエンジンの後輪駆動)と、いずれも荷物積載時のトラクション性能に優れる後輪駆動を採用しているからです。
すべての軽バンに4WDの設定があるものの、前輪駆動と後輪駆動のどちらを軸足にしているのか、という根本的な違いがあるというわけです。
また、エンジンが運転席の下か、その後ろに置かれることが多い軽バンと異なり、N-VANのそれは運転席の前に搭載されています。ボンネットの長さを確保しなければいけない分、荷室のスペース効率は落ちるのですが、静粛性や安定性、衝突安全性では有利な面も多く、その独自性がN-VANの強みと言えるでしょう。
事前情報はそれくらいにして、最初に自然吸気エンジンとCVTを組み合わせた「+STYLE FUN」(FF:156万600円~[消費税込み])に試乗しました。
まず運転環境について。商用バンにありがちな腰高感はなく、ごく自然な姿勢で乗り降りができます。シートのホールド性はどちらかと言えばユルいものの、荷物の積み下ろしなどで頻繁に乗降を繰り返したり、後方確認のしやすさを優先するとこれくらいが落としどころかもしれません。
N-VANのデザインを担当された本田技研研究所の山口真生さん曰く、「そうは言ってもシートの腰周りはシビック・タイプRとほぼ同じ設計なんですよ。ぜひそのあたりを意識して乗ってみてください」とのこと。ちょっとした「へぇ!」ポイントとして、試乗の際はぜひご体感ください。
実はこの日、たまたまそのシビック タイプRに乗る機会があったのですが、ステアリングに備わるスイッチ類の操作感もだいたい同じだったことを報告しておきましょう。だからどうした? まぁそう言わずに。