「バック駐車で警察官に誘導してほしい」との通報も!? 警察庁が“衝撃”の「110番通報」を公表! 軽い事故でも110番通報して良い? 正しい“通報”はどんなもの?
警察庁は2026年の「110番の日」にあわせ、昨年の通報件数を公表しました。受理件数が過去10年で最多となるなか、バック駐車の誘導依頼など緊急性のない通報が約2割に。本来の緊急通報の役割を妨げかねない事態に、ネットでも議論が起きています。改めて知っておきたい、事故時や緊急時の正しい通報ルールを解説します。
不要不急の通報は全体の約2割! 110番はどんなときに利用すべき?
警察庁は2026年1月10日、「110番の日」にあわせて、2025年1月~11月までに全国の警察が受理した110番通報の件数を公表しました。中には緊急性の低い内容の通報もみられますが、どのような場面で110番通報すべきなのでしょうか。
1986年(昭和61年)、警察庁は緊急通報用の電話番号である110番の正しい利用方法と重要性を広めるため、1月10日を「110番の日」と定めました。それ以降、110番の日には警察が各種イベントや啓発活動をおこなっています。
警察庁は今年1月10日、110番の日にあわせて、昨年1月~11月までに全国の警察が受理した110番通報の件数や内容を公表しました。
警察庁によると、110番の受理件数は1002万3622件で、前年同時期より38万4624件多く、過去10年で最多となりました。単純計算ではあるものの、1日あたり2万7000件以上もの通報が寄せられている状況です。

通報内容では交通事故や交通違反に関するものが318万914件と最も多かったほか、通報者からスマートフォンなどを通じて警察に画像や映像を送ってもらう「110番映像通報システム」を活用した事例が1387件ありました。
このシステムの利用により、交通規制といった速やかな対応につながったということです。
その一方、緊急の対応が不要な通報が約191万件(全体の19.1%)にのぼり、中には「バック駐車をしたいが、当たりそうなので警察官に誘導してほしい」「祭りの太鼓の音がうるさい」「免許の更新手続きを教えてほしい」などの通報もありました。
さらに「電車に乗り遅れたのでパトカーで送ってほしい」「近所のコンビニの場所を教えてほしい」「ヘリコプターが飛んでいるが、何かあったのか」といった通報や、遺失物の照会に関する通報なども寄せられています。
この件に対してインターネット上では「本当に命に関わる事件などが起きたとき、こうした通報のせいで繋がるのが遅れたらどうするつもりなんでしょう」「スマートフォンの普及で『とりあえず電話する』ことが容易になった一方で、緊急性の判断まで警察に委ねてしまっている通報が増えているようにも感じます」などの声が上がっています。
加えて、「どのような場合に通報すべきか迷う」といった意見もみられました。
なお警察では、「事件」と「事故」などの緊急時に110番通報をするよう呼びかけています。具体的には強盗や空き巣、特殊詐欺、暴行・傷害などの事件のほか、人身・物損事故、ひき逃げなどが発生したケースが挙げられます。
これらはあくまで一例であり、不審者につきまとわれている、人の悲鳴を聞いた、飲酒運転をしている人を見かけたなど、人命に危険がおよぶ事態が想定されるような情報も110番通報の対象です。
人にケガがない軽い事故では通報をためらうケースもみられますが、物損事故も迷わず110番通報をすべきといえるでしょう。
意外と知られていませんが、携帯電話を使って通報した場合、警察の方である程度の位置情報は把握できるものの、ピンポイントな場所は特定できない可能性があります。
通報する際は自分の位置を伝えられるよう、周囲の建物や交差点の名称などを確認しておくと良いでしょう。
またGPS信号を受信しにくい建物やクルマの中にいると、実際にいる場所と位置情報がずれているケースもあることから、できるだけ屋外に出て通報することも重要です。
そのほか急を要しない通報や相談などについて警察庁は、警察相談専用電話「#9110」へ連絡するよう呼びかけています。
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交通事故が起きたとき、ケガ人がいれば救護を最優先したうえで、警察に通報しなければなりません。警察への通報を怠ると「報告義務違反」として犯罪になる可能性があるほか、交通事故証明書が発行されず、保険金の請求ができないおそれもあります。
各ドライバーが「事故発生時は迷わず110番」という意識を持っておくことが肝要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。











































