タイヤ空気圧不足の燃費悪化は「ガソリン7円高」に匹敵!? トラブル増加の背景に「関心の薄さ」
タイヤの空気圧が不足していると、燃費悪化や危険な事故につながることも。空気圧不足のクルマが多いために、タイヤにまつわるトラブルも増加しています。空気圧のチェックや空気の充填を、どのように考えればよいのでしょうか。
空気圧不足は危険な事故も
タイヤの空気圧が不足していると、燃費悪化や危険な事故につながることも。空気圧不足のクルマが多いために、タイヤにまつわるトラブルも増加しています。空気圧のチェックや空気の充填を、どのように考えればよいのでしょうか。
タイヤに関するトラブルが右肩上がりで増加しているようです。
JAF(日本自動車連盟)によると、タイヤのパンクやバーストといった救援依頼件数は2011(平成23)年度に約29万7000件となり、それまで長年にわたり救援依頼内容で2位だった「キーとじ込み」を上回りました。その後も増加を続け、2017年度には年間約39万2000件となっています。
背景にあるのが整備不良の増加です。JATMA(日本自動車タイヤ協会)は毎年4月に全国で一般ユーザーのタイヤ点検を行っていますが、過去の総点検台数のうち乗用車全体の28.8%、およそ3台に1台が空気圧不足のまま走行していると分析しています。
空気圧が不足している状態のタイヤは、たわみが大きくなります。これにより走行中の抵抗(転がり抵抗)が増えて燃費が悪化するほか、操縦安定性も低下、タイヤの損傷や劣化にもつながり、危険な事故を引き起こしかねません。「特に高速道路の走行中は、高速回転とともにたわみが繰り返されて異常発熱が生じ、最悪の場合バーストに至ります」(JATMA)とのこと。
燃費への影響も大きいようです。タイヤの空気圧が適正値より50kPa(キロパスカル/空気圧表示に用いられる国際単位)低いと、市街地で約2.5%、高速道路で約4.8%、燃費が悪化するといます。これは一般財団法人省エネルギーセンターによる実験の結果ですが、JATMAによると、ガソリン代をリッターあたり150円で計算した場合、通常より4~7円高いガソリンを使用しているのと同じくらいの影響があるそうです。