「RAV4」開発の裏にあった「匠の五感」と「最新デジタル」の融合! “ヒト中心の走り”を作り込む匠と次世代エンジニアはトヨタの絶対エースSUVをどのように進化させたのか【PR】

トヨタを代表するグローバルSUV「RAV4」。6代目となる新型の開発現場では、官能評価を担う「匠」と、最新デジタル技術を駆使する次世代エンジニアが連携し、数値やデータにとらわれず「ヒト中心の走り」を追求する徹底した取り組みが行われていました。匠の感覚をどのようにデジタルで反映し、進化へとつなげたのか。キーマンたちの証言からクルマづくりの裏側に迫ります。

最新ADASに吹き込まれた“人間の呼吸”とは?

 その匠たちの熱い想いを受け止め、デジタル制御の領域で劇的な進化を果たしたのが先進安全運転支援システム(ADAS)です。折しもトヨタは、車載ソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」をはじめとするSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)基盤の開発を加速させています。

 今後、知能化や自動運転技術がどれほど進化しても、その制御コードの根底に流れる「味付け」を決めるのは人間の感性であることに変わりはありません。

ADASにもトヨタ最新スペックの機能や制御が投入されている新型RAV4

 そこで新型RAV4の運転支援システムには、まさに将来のArene時代をも見据えた、匠の感覚と高度なソフトウェアアーキテクチャの融合が色濃く反映されています。もちろん、エンジニアたちもこれまで手をこまねいていたわけではありません。

「これまでの運転支援システムでも、その時々の制約の中で常にベストを尽くしてきた自負はありました。ただ、当時は認識センサーや処理能力、車両制御のハードウェアに限界があり、当時の技術ではどうしても超えられない壁があったのも事実です。

 ですが今回、認識技術やシミュレーション環境、制御ハードの進化によって、ようやくすべての素材が揃いました。素材が揃った今だからこそ、『匠のドライブそのもの』をデジタルで再現する挑戦ができたんです」

トヨタ自動車 モビリティ安全製品開発部 モビリティ安全性能開発室 主任の熊井雄一氏

 レーントレーシングアシスト(LTA)や低速追従支援を担当したモビリティ安全製品開発部 モビリティ安全性能開発室の熊井雄一氏は、開発初期の大きな壁を赤裸々に明かしてくれました。

「初期のシステムは、エンジニア視点で作ると『白線の真ん中(車線の中央)をいかに正確に維持するか』が正義でした。でも匠に乗ってもらうと、『カクカクして不自然だ』『切れ味が鋭すぎてスムーズじゃない』と一蹴されたんです。

 機械的には白線のど真ん中をトレースしていても、人間は先のコーナーを見据え、微妙にラインを変えながら走っていますよね。中央を維持することだけを強制されると、ドライバーは逆に強い疲労と恐怖を感じてしまうんです。」

エンジニア目線での正解が人間の感覚に合うかどうかはまた別問題。ドライバーの意図に合わせた違和感のない自然な作り込みに「匠」の技量と経験が活かされる

「今回は認識技術やアクチュエーター制御が格段に進化したことで、ドライバーの意図を汲んであえて中央から自然に微修正するような、まさに熟練ドライバーの操舵感を織り込むことができました」

 アダプティブクルーズコントロール(ACC)を担当したモビリティ安全製品開発部 モビリティ安全性能開発室の後藤宏晃氏も、同様のジレンマを経験していました。

「前走車に追いついたとき、計算上安全なマージンを確保するために『素早く、確実にブレーキをかける』制御を組みました。ところが匠からは『こんな前のめりになるブレーキ、不快で乗っていられない』とバッサリ言われてしまい…。」

トヨタ自動車 モビリティ安全製品開発部 モビリティ安全性能開発室 主幹の後藤宏晃氏

 「人間が安心できるブレーキは、手前でじんわりと踏力を立ち上げ、ノーズダイブを抑えながら滑らかに減速します。さらに前走車だけでなく、その前を走る前々走車や周囲の状況まで先読みした減速制御が必要でした。

 広角センサーによる認識領域の拡大と高精度シミュレーションという強力な素材が揃ったことで、何百通りものシミュレーションと実車評価を繰り返し、数式に人間の呼吸を宿らせていきました」

 安全基準を数値で満たすだけならデジタルだけで完結します。ですが、ドライバーが「安心して運転できるか」はまったく別次元の話です。

 AIが進化し続けるなかでも、運転に関しては「何でもやってくれる」というわけにいきません。ドライバーがどういう制御を求めているのか汲み取り、協調性を作り込む。それがトヨタ車ならではの“温かみある制御”につながっています。

 将来的にAreneを介して制御ソフトウェアが高度に統合・アップデートされていく時代だからこそ、その土台となるフィジカルな車両挙動とアシストの介入感に、匠のシビアな眼差しが不可欠だったのです。

RAV4というクルマにふさわしいボディを追求

 この徹底したすり合わせの効果は、ソフトウェアにとどまらず骨格や足回りといったハードウェアの開発現場でも遺憾なく発揮されていました。

 ボディ設計を担当した製品開発自主研室(開発当時 MSプラットフォーム開発部K-PF開発室)の和田守正祥氏は、「もっとエンジニアはクルマに乗ろうよ、という話なんですよね」と苦笑交じりに明かします。

トヨタ自動車 MSプラットフォーム開発部 K-PF開発室 主幹の和田守正祥氏

「外から見れば『自動車メーカーのエンジニアなんだから、普段からクルマに乗りまくって開発しているんだろう』と思われるかもしれません。

 でも実態は違います。CADやCAE解析、シミュレーションが進化しすぎたために、机上の数字だけを見て、画面上で合わせ込みにいくだけでも仕事が成立してしまう。極論を言えば、クルマに乗らなくても開発できてしまう時代になっていたのです。

 実際に開発エンジニアで実車テストに行った時も、始めはテストコースで走ることで精一杯で、まともにクルマを評価したりお客様目線での良し悪しを言葉にすることができませんでした。それぐらい、クルマを鍛える現場との分業化とデジタル化は進んでいました」

 自戒を込めてそう語る和田守氏は、開発初期に先代RAV4をベースとし解析を駆使してボディ剛性向上を試みた改造実験車の仕上がりについて、匠からダメ出しされたといいます。

 「以前なら、データ上で乗り心地の悪化を示す周波数が出れば、机上で補強を入れて『ほら、計算上は振動が減ったので目標達成です』と終わらせていたかもしれません。

 でも実際に走ってみると、『ああ、この道を走ったときのこの嫌な振動のことか!』と肌でわかる。まさに現象の解像度がまるで違いました」

 画面の中のデータ上では完璧な「正解」だったものが、実車に乗った瞬間に「不正解」へと覆る。それはデータだけを重視する開発姿勢に対する痛烈なアンチテーゼであり、戒めでもありました。

 「だから今では、匠から指摘を受けたときに『データ上は何の変化もありませんよ』と突っぱねることは絶対にありません。『自分たちのデータの見方が間違っているんじゃないか』『自分たちがまだ見つけられていない数値があるんじゃないか』と立ち止まるようになりました」

 要するに、単に鉄板を厚くし、数値を追うだけの設計ではダメだということです。

話を聞き何度も同乗試乗することで、匠の五感をデジタルに落とし込むことができるようになった

「じゃあ、ここを補強したらどうなる?」「ここを抜いたらどう動く?」

 匠とエンジニアがテストコースの現場でボルトオンの補強パーツを取り付け、外しては走り、その場で乗り味の変化を確かめ合う日々が続きました。

 その結果、リヤサスペンション取り付け部やフロアトンネル開口部など要所を効果的に補強することで、ボディ全体がしなやかに動いてタイヤを路面に押し付け続ける構造を導き出しました。

RAV4はドライバーが「安心」「自然」と感じられることを重視して開発が進められた

 そして、骨格素性の向上したボディを土台にショックアブソーバーの減衰力を存分に活かすことで、しなやかな乗り心地とSUVらしいどっしりとしたスタビリティを両立させたのです。

 シャシー設計のMSプラットフォーム開発部K-PF開発室 河西清一朗氏も、タイヤ開発での強烈な体験を振り返ります。

「開発初期に、転がり抵抗、旋回グリップ性能、ブレーキ性能の数値がすべてトップクラスだった最新タイヤを提案したことがあります。これなら文句ないだろう、と。」

「ところが匠からは『シャシー単体の性能は良くても、RAV4というクルマには絶対ダメだ』と却下されました。数字には表れない操舵を入れた瞬間のタイヤのたわみ方や、路面の凹凸を乗り越えたときのいなし感が、RAV4の目指す味に合っていない、と」

 ボディ、シャシー個別の最適解ではなく、クルマ全体としてどうあるべきか。全員が「クルマ屋目線」になり、全体最適の視点を持つことの重要性を、若手エンジニアたちは匠との泥臭い同乗走行を通じて徹底的に叩き込まれていきました。

 つまり、カタログスペックに並ぶ「剛性◯%アップ」といった数字は、目標ではなく“走りの味を追求した結果”としてついてくる副産物に過ぎないのです。

トヨタ自動車 MSプラットフォーム開発部 K-PF開発室 主任の河西清一朗氏

【写真】匠と次世代エンジニアが作り上げたトヨタ「RAV4」! 詳細を画像で見る(30枚以上)

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