アバルトのレーシングスピリットを受け継いだ「595 モメント」登場!【PR】

アバルトのレーシングDNAを受け継いだ、スポーツドライビングに特化した「595」の限定モデルが登場した。MT車のみ、機械式LSDを装備した80台限定アバルトの魅力を、モータージャーナリスト嶋田智之氏が語る。

アバルトは、ドライバーに元気を与えるクルマだ

 キーを捻ってエンジンに火が入った瞬間、レコードモンツァの弾けるようなサウンドが耳に飛び込んできて、思わずニヤリとしてしまう。毎度のことなのだけど、でも当たり前だろう。

 その瞬間からクルマと自分の身体にエネルギーが満ち溢れ、熱い血が通い始めるような気にさせられるのだから。

 G系の音とR系の音が混じり合ったような独特のサウンドを聴かせてくれるレコードモンツァ。これは単なるエキゾーストシステムなんかじゃないのだ。

●レコードモンツァの音色に酔いしれる

車両価格(消費税込)412万円のアバルト「595 モメント」は、ベースとなる「595 コンペティツィオーネ」より29万円高いが、装備が充実しておりバリューある内容となっている [写真タップで拡大]

「ちゃんとMTを用意したんだからそれだけでも感謝しろ」みたいな最近よくあるもっさりした類と違って、アバルトのシフトレバーはフィーリングが快い。

 それを左奥にスコッと送り込んで、ピットロードをゆっくりとスタートする。これも毎度のことなのだけど、扱いやすさに感心させられる。

 このクルマの1.4リッター直4ターボは、180psを5500rpmで発揮するシリーズ最強のハイチューン版だ。が、ノーマルモードでは2000rpmで230Nmを、スポーツモードでは250Nmのトルクを沸き立たせる頼もしさも持ちあわせている。

 アイドリングのままクラッチをつないでいっても、さほど苦にせずスルスルと前に進み始めるのだ。チューニングが一段階マイルドな165ps/5500rpmと230Nm/2250rpmの仕様と較べると回転が高い領域でのパンチが効いてるから誤解されがちだけど、この180ps仕様は低回転域でも扱いやすく高回転域ではパワーの密度感がググッと増大する、しっかりと調律の効いたスポーツユニットなのだ。

 パワーを絞り出しても扱いづらければ結果的にそのパワーを活かしにくいということをよく理解している、アバルトの昔からのロードカー作りの方程式みたいなものは、いまもしっかりと活きている。

 街中ではアクセルペダルに対しての反応がマイルドになるノーマルモードが心地いいけれど、こういう場所では最初からスポーツモードだ。

 右足をグググッとプッシュしていくと、このクルマはとんでもなく痛快な小型爆弾としての本性を発揮しはじめる。

 レコードモンツァがオクターヴを高めていく。

 ギャレットGT1446タービンも高速回転を開始する。

 やっぱり気持ちいい。エンジンの回転が高まっていくときの目覚ましい伸び感と、その領域でのシャープさ。それはこの180ps仕様ならではの持ち味。

 加速感は、愛らしい姿や排気量からは想像できないほどの強烈さだ。襲いかかってくるかのようなダイナミズムを手動シフトでコントロールしながら攻め込んでいくのが、面白くないはずなんてないだろう。

 レコードモンツァのサウンドを公式サイトでチェック 

●コーナリングの魔術師

カーボンファイバーとアルミニウム、そしてアルカンターラがふんだんに使われたコックピットは、とてもレーシーだ

 ダイナミックなのはそこだけじゃない。

 前後にKONIのFSDダンパーとハードなスプリングが、前にブレンボの4ポッドキャリパーが組み込まれたシャシが生み出す、見事なまでの曲がりっぷりだ。

 コーナーの手前でフロントタイヤに強力な荷重をも乗せやすく、その乗せ具合を調整しやすいブレーキシステムと、それを過不足なしに受けとめるサスペンション。

 アバルトは595シリーズの各モデルを、ブレーキとサスペンションのバランスを変えることでそれぞれしっかり曲がるクルマに仕立て上げているが、クルマを適切に曲げていくための姿勢の作りやすさ、車体の動きのレスポンス、コーナリングスピードのすべてにおいて、このクルマの組み合わせは最強。

 そのうえこのスペシャルエディションには、機械式のLSDまで備わっている。だからコーナーの入口でしっかり曲がる姿勢を作り、アクセルペダルを踏んでいくタイミングを合わせれば、タイヤがキッチリと路面に噛んで、曲がる曲がる、面白いようにグイグイ曲がる。

 LSD非装着車とは段違いのスピードでコーナーを駆け抜けていけるのだ。このコーナリングパフォーマンスの素晴らしさは、潔いほど走りに徹した「695 ビポスト」にかなり近いレベル。奥の深さを探りながら攻め込んでいくのが、面白くないはずなんてないだろう。

 だから自ずと息が上がるくらいまで走ることに没頭させられちゃう。けれど、もしあなたがこのクルマを一度でも走らせたら、笑い飛ばしたりなんてできないだろう。そういう魔力を秘めたクルマなのだから。

【画像】アバルトのレーシングDNAを受け継いだ「595 モメント」のディテールチェック!(31枚)

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