ルノー「カングー」に試乗して感じた、クルマとしての“進化”と先代から変わらない“カングーらしさ”【PR】
14年ぶりにフルモデルチェンジし、3代目へと進化したルノー「カングー」。その限定モデル「ヴァリエテ」に乗り、筆者(河西啓介)の住む千葉県・南房総周辺で走りや使い勝手などを試してみました。
14年ぶりのフルモデルチェンジを果たした3代目 ルノー「カングー」
軽快さと高いユーティリティを併せ持ったトールワゴン、ルノー「カングー」は、ミニバンともSUVとも異なるユニークなキャラクターが多くの人々に支持されています。かくいう筆者も、2代目カングー(2007年から2021年まで販売)に数年間乗っていたことがあります。
そのカングーが実に14年ぶりにフルモデルチェンジし3代目へと進化。日本では2023年に発売されました。
クルマの土台となるプラットフォームから刷新され、室内空間の拡大、快適性の向上、先進運転支援システム(ADAS/Advanced Driver-Assistance Systems)の充実などが図られており、筆者も気になっていましたが、今回試乗する機会を得ることができました。
試乗したのは2024年2月に発売された限定車「ヴァリエテ」。ちなみにヴァリエテとはフランス語で“バラエティ(変化に富む、多様性)”を意味します。目を引くのは、フランス・ボルドー地方に広がる葡萄(ぶどう)畑の風景をイメージしたという「ルージュ カルマン M」のボディカラー。
フランス本国では商用車としても活躍し、タフなイメージもあるカングーですが、特別なワインレッドのボディカラーをまとったヴァリエテは落ち着きと上品さを感じさせます。日本でもバンパーがボディ同色のカラーバンパー仕様とブラックバンパー仕様が設定されますが、試乗車はカラーバンパー仕様でした。
趣味や普段使いで活躍する“生活性能”の高さもカングーの魅力
筆者は3年ほど前、東京都心から千葉県の南房総へと引っ越しました。海や山に囲まれた環境で暮らす中で、クルマとの付き合い方も変わってきています。公共交通機関の少ない田舎において、クルマは必要不可欠な“生活の足”であり、仕事、買い物、趣味と、あらゆる場面でクルマを道具として使いこなすという感覚が強くなっているのです。
そんな今の自分の生活に、カングーはとてもマッチするのではないかと、あらためて考えていました。そこで今回は日頃走り回っている南房総で、カングー・ヴァリエテに乗ってみることにしたのです。
家の周辺の山道や都心に向かう高速道路を走り、趣味の道具であるロードバイクや楽器などを積んでみて、カングーの“生活性能”を試してみようという狙いです。
先代モデルよりもシャープさが増した現行型カングーのエクステリア
まずは外観です。真横から見たボクシーなフォルムは、なじみのあるカングーそのもの。しかし正面に回ると印象は大きく変わっています。
最近のルノー・デザインにのっとったファミリーフェースが採用され、「Cシェイプ」のデイタイムライトとLEDヘッドライト、黒いグリルに大きめのエンブレムが先代よりシャープな印象を感じさせてくれます。
個人的には先代のちょっとファニーな顔つきも好きだったのですが、現行型は洗練され質感が高まっているのは確かです。
先代モデルから継承された観音開きのバックドアがうれしい
後ろ姿はボディサイドに張り出したCシェイプのテールランプが特徴的。これも縦型テールランプだった先代とは印象がかなり変わりましたが、こちらは力強さとタフさが増した現行型のほうが好みです。
そしてうれしいのは、ドアが左右に開く「観音開き」のバックドアがしっかり継承されていること。じつはこの観音開きドア、本国では商用車仕様にしか用意されないのですが、日本仕様では特別に乗用モデルに採用されているのです。この観音開きドアは、日本のファンにとってはカングーのアイコンというべきポイントであり、狭い場所で開閉するときなどとても便利です。
現行型カングーのボディサイズは全長4490mm、全幅1860mmと先代より若干サイズアップしました。もともと広々としている前後席スペースについては大きな変化を感じませんが、荷室は明らかに広くなっています。
長さは100mm以上、幅は30mm拡大され、5人乗車時でも775リッターの荷室容量です。リアシートを倒せば最大2800リッターまで荷室容量を拡大でき、大人の男性が悠々と寝られる長さがあるので車中泊もラクにこなせそうです。
そんな大容量の荷室に自分のロードバイクを積んでみましたが、ホイールやサドルを外さずともラクに収まるので、少なく見積もっても3、4台はロードバイクを積めそうです。