前哨戦モロッコラリーでも好感触! ランクル300でダカールラリー市販車部門11連覇を狙うTLCとタッグを組むトーヨータイヤ「オープンカントリー」のポテンシャルとは【PR】
進化した「OPEN COUNTRY M/T-R」の実力とは
さて、モロッコラリーでは、パートナーを組むトーヨータイヤがさらなる改良を進めたタイヤ「OPEN COUNTRY M/T-R」を装着しました。
その印象はどうだったのでしょうか。
「モロッコに参戦する前、6月に行われたテストでは、性能を尖(とが)らせたものからおとなしいものまで、3タイプを試すことができました。そしてそのなかから、真ん中をモロッコラリー用としてチョイスしました。これら3タイプは“スペックの違い”がわかりやすく仕上げられていましたが、真ん中のものがドンピシャだったのは、トーヨータイヤとタッグを組んでのラリー参戦も3年目に入り、こちらの求めるスペックをより深く理解してくれるようになったからだと思っています」
この改良版OPEN COUNTRY M/T-Rは、主にケース剛性と、トレッドブロックの高さに変更が加えられていました。
「従来のスペックのタイヤでは、走りにくい路面で空気圧を大きく落として進むとき、タイヤのサイドウォールが大きく変形、ホイールのリムが地面に接触しそうになっていました。しかし剛性の強化により、そうしたシチュエーションでもタイヤの変形は一定範囲にとどまり、リムのヒットによるトラブルの不安がなくなりました。またトレッドブロックの高さが低くなったことで、路面の感触がダイレクトに伝わり、ハンドル操作の遅れがなくなりました。またブレーキやアクセルなどのタイミングもより的確なポイントで行えるようになりました」
その詳細について、トーヨータイヤの技術開発本部OEタイヤ開発部の松原圭佑氏は、以下のように解説します。
「トレッドのパターン自体はまったくいじらず、ブロックの高さのみを低くしています。モロッコラリー、そしてダカールラリーの路面は砂地や砂丘がメインでぬかるみや泥道はないので、ブロックを低くすることでのトラクションロスなどのデメリットがそれほど大きくないだろうと考えての改良です。
また今回、トーヨータイヤとして環境への低負荷という視点から、新たにサステナブルな素材を一部に用いています。これは事前の研究やテストで既存の材料との性能の優劣が生まれないことを検証したのちに採用したもので、実戦投入は今回がはじめてでしたが、この素材に起因する性能の差異や耐久性に問題はなく、ダカールラリーでも同じスペックのタイヤを採用することが決まりました」
最後に三浦選手に、ダカールラリーへの抱負を聞きました。
「今回、大きなルール変更として『クロノステージ』が導入されます。これは従来の『マラソンステージ』に代わるもので、競技車両は丸2日間かけて約600kmのステージを走ります。この間、補給や修理など、チームによるサポートを受けることはできず、トラブルがあっても他の競技車を含めた選手だけで解決しなければなりません。
クロノステージの途中にはビバークポイントが複数設けられるとのことで、同じチームのもう1台と同一のポイントで夜を過ごすなら、スペアタイヤのやりとり、修理の手伝いができます。しかしステージ走行中は競技車両同士の通信ができないため、同じチームの仲間がどのビバークポイントを使うか把握できないことになりそうなんです。そのためノートラブルでステージ通過を目指すには、クルマを壊さないことが第一ですが、そこにこだわりすぎてペースを下げすぎると、順位を大きく落としてしまうので、精神的にもタフなステージになりそうです。
ただ自分自身としては、このクロノステージもランドクルーザーの本質である『どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ』を証明する機会になると思ってます。2023年ダカールでは、いわばルールに助けられた形での完走となりましたが、今回はすべてのステージでゴールを目指し、より高い順位で完走したいと思ってます」